現代社会学科:フィリピン・スラムコミュニティの若手リーダー発の挑戦 —貧困削減と海洋プラごみをテーマとした国境を超えるオンライン交流授業を実施
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このニュースのポイント
【学べること】
フィリピン・セブのスラムコミュニティの若手リーダーおよび現地NGOとオンラインでつなぎ、貧困削減と環境問題の相関関係について“現地の声”から学ぶ国際交流
【将来の活躍例】
国際協力・CSR(企業の社会的責任)・メディアリサーチ・地域連携プロジェクト・社会課題解決型プロジェクト
【学べること】
フィリピン・セブのスラムコミュニティの若手リーダーおよび現地NGOとオンラインでつなぎ、貧困削減と環境問題の相関関係について“現地の声”から学ぶ国際交流
【将来の活躍例】
国際協力・CSR(企業の社会的責任)・メディアリサーチ・地域連携プロジェクト・社会課題解決型プロジェクト

1月14日(水)、現代社会学科の専門教育科目「国際社会論」(担当:小林かおり准教授)において、海外とリアルにつながるオンライン交流授業が実施されました。授業にはフィリピン・セブの海上スラムに暮らす学生4名と、現地NGO・SLPCのスタッフ2名が参加し、国境を越えた対話の場が開かれました。

このオンライン交流は、小林准教授が代表を務めるトヨタ財団国際助成プロジェクト「海洋プラごみ「放出」と「漂着」における島嶼地域コミュニティベースの学び合いと国境を越えた次世代育成」の一環として実施され、「貧困削減と海洋環境」をテーマに活発な意見交換が行われました。フィリピン・セブの学生たちは、厳しい貧困の現実と向き合いながら、海洋プラごみの調査補助に携わり、自らが暮らすごみに覆われたスラムコミュニティの環境改善に力を注いでいます。

授業は二部構成で行われ、冒頭では現地NGO団体の代表・池頭氏より、セブ島を取り巻く現状について報告がありました。セブ島は、美しいビーチリゾートとして知られる一方、一般ごみの焼却が法律で禁止されていることに加え、多くのスラム地域が行政の管轄外とされ、ごみ収集がほとんど行われていません。その結果、生活ごみが河川や海へと流出している実態が示され、フィリピンが世界でも有数の海洋プラスチック排出国となっている背景が説明されました。

過去には一部の海上スラムで海洋清掃活動を行い、回収したペットボトルをアクセサリーに加工・販売し、環境保全と収入創出を両立させる試みの「エコプロジェクト」という日本人ドナーから支援を受けた取り組みが一年間実施されていました。

現在は、同一の海上スラムで小林准教授が国際助成プロジェクトを実施しています。このプロジェクトは、海洋環境調査を軸としながら単なる学術研究にとどまらず、コミュニティの次世代を担う人材育成を重視し、国境を越えた持続可能な海洋環境保全を目指しています。調査に参加するスラムコミュニティの若者たちは、研究の担い手としての役割を通じて自尊心を育み、地域の未来を切り拓くリーダーとして成長しています。

次に、「貧困削減と海洋環境」をテーマにしたフィリピンの学生と本学生との質疑応答が行われ、現地の学生から、上下水道のない生活環境や、家族を支えるために自らを犠牲にし、十分な教育を受けられなかった経験など、厳しい現実が率直に語られました。また、河川や海へのプラスチックごみの投棄が日常の光景であるという話は、日本の学生たちに大きな衝撃を与えました。多くの写真や映像を交え、当事者の言葉で語られる現地の状況は、書物やメディアだけでは知りえない「リアルな課題」を深く実感させるものでした。

最後に「日本の人たちに伝えたいことはありますか?」と現地の学生に問いかけると、「フィリピン人はいつも笑顔でいるけど、それが本心とは限らない。日本の学生はとても恵まれていて羨ましい」という率直な言葉が返ってきました。この一言は、多くの学生の心に強く刻まれ、国際交流の意味を改めて問い直す機会となりました。

今回交流授業に参加した、調査補助をしているスラムコミュニティのリーダーは、今後、セブ島から海に流れ出たゴミはどのような経路をたどり、漂着地でどのような影響を与えているのかを自身の目で確認するために、今年3月に来日します。フィリピンへ帰国後、日本で学び、体験したことをスラムコミュニティの住人に伝えるなどの啓発活動を行う予定です。

