戦後80周年プロジェクト/戦争体験者による講演会を開催

5月27日(火)、中学3年生を対象に本校の元教員である松下哲子氏による、平和について学ぶ講演会を開催しました。
椙山女学園中学校・高等学校は、第二次世界大戦後80年目にあたる今年、「戦後80周年プロジェクト」を立ち上げ、1年を通して平和について学ぶ取り組みを進めており、今回の講演会はプロジェクトの第一弾として実施しました。

 

松下氏は、満州国で生まれ、満州国で終戦を迎えた方です。講演では、戦争中、支配する側であった日本が敗戦直後から支配される側になり状況が急に一変したこと、命からがら引き上げた末に疫病や飢えで次々と亡くなる開拓団員を目の当たりしたこと、そして、戦争には被害と加害の両面があり、満州国での豊かな生活が、植民地の犠牲の上に成り立っていたことなどを具体的なエピソードを交えて話されました。

 

「一人ひとり大切な命で大切な人生があったはずなのに、なぜ、こんなにも多くの人が犠牲にならなければいけなかったのか、戦争は絶対に繰り返してはいけない」と話されるととともに、「戦争も歴史も様々な角度からみてみると解釈が変わる。自分で情報を正確に捉え、海外の人とも仲良くして、当たり前ではない平和をしっかり守ってほしい」と力強く呼びかけられ、生徒たちは真剣な面持ちで耳を傾けていました。

 

戦争体験者の生の声を聞く最後の世代と言われている生徒たち。講演後、「平和は当たり前になるものではなく、私たちがきちんと守っていきたい」「私たちがしっかり後世に伝えていかなくてはいけないと思った」との感想が聞かれ、戦後80年、日本では戦争が一度も行われなかった平常を、今後も続けていかなければならないという思いを強くする講演会となりました。

 

なお、この講演会はメディアの取材が入り、ニュースとして紹介されました。