現代社会学科・文化情報学科:【現場のプロが教える業界特別講座8】「復興ツーリズム」の事例から学ぶ旅行業の可能性
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業界で活躍するさまざまな職種のプロが授業を行う、現代社会学科の「業界特別講座」。
11月11日(月)、「観光産業論」(担当:阿部純一郎准教授)の授業において、愛知県で旅行会社を営む加藤広明氏(株式会社ツアー・ステーション代表取締役)を招き、「日本の観光ビジネスはどう変化していくか~旅行業界30年を振り返る~」と題する特別講義を行いました。
「いまの私をここまで成長させてくれたのは旅行業にほかなりません」。授業冒頭でそう述べたうえで加藤氏は、旅行会社に入社した1990年代当時の旅行業界と、東日本大震災やコロナ禍を経験した現代の旅行業界の変化について、自身の体験談を踏まえて振り返りました。
今回講義の中心となったのは、加藤氏が岩手県と10年来取り組んできた「復興ツーリズム」の取り組み。三陸鉄道株式会社(岩手県)との出会いをきっかけに始まったこのプロジェクトを通じて加藤氏は、観光は地域復興を経済的に支えるだけでなく、悲観した地域住民を心理的に勇気づける力も持っていることに気づいたと言います。また、学生との質疑応答では、地方の旅行消費額を増やすための工夫や、地域密着型の旅行商品づくりの難しさなどにも言及。最後に、近年は金融機関やIT企業などさまざまなプレイヤーが観光分野に参入していることに触れ、旅行会社以外でも観光に関われることを知り、今後の就職活動に生かしてほしいとエールを送りました。
授業では引き続き、観光業界で働く専門家を招き、実社会と結びついた実践的な学びを展開します。

