「途上」国ってなんだろう。国際協力から考える、置かれた環境を超えて互いの生き方を尊重できる明るい未来の姿とは

「先進国」と「途上国」。一括りにしたこの言葉の先には、環境の違いこそあれど、私たちと同じように毎日を生きる人々の暮らしがあります。 ここでは、置かれた環境の違いによって生まれる「選択肢」の差に触れながら、両者がつながることで期待できる選択肢の広がりや、これからの私たちにできる国際協力の形について言葉を交わしました。

この交換ノートのグループ

菊池 モアナ

Borderless Tanzania Limited 代表取締役社長

1995年生まれ。神奈川県藤沢市出身。タンザニアMIXの5歳の男の子を育てる一児の母。日本大学国際関係学部在籍中、イギリスにて教育開発学を学び、その後タンザニアに渡航し子供が退学する理由の調査を行う。大学3年時に妊娠・出産、その後3年間シングルマザーを経験する。2020年に株式会社ボーダレス・ジャパンに新卒起業家入社し、再エネ供給事業、技能実習生向け日本語教育事業の立ち上げを経験。2021年にアフリカのタンザニアにて当社設立し、現事業LUNA sanitary productsを立ち上げ。生理用ナプキンの製造・販売および寄付と性教育の無償提供を行う。

テン

国際コミュニケーション学部 表現文化学科 4年

しろ

人間関係学部 人間関係学科 3年

  1. テン

    はじめまして。テンです。国際コミュニケーション学部表現文化学科所属の4年生です。ゼミでは途上国における国際協力について勉強をしています。交換ノートは小学生以来なので、楽しみです!
     
    最近は、外が暑すぎて家で過ごすことが多いのですが、今日は比較的涼しいので、趣味の映画を観に行こうと思います。私は刺激が欲しくてジャンルを問わずいろいろな作品に手を出すのですが、今の自分に響くものに出会えたときは、1週間くらい作品を思い出して余韻に浸ってしまいます!(笑)
     
    私はゼミの活動を通して途上国に興味を持ち、座学だけでなく実際に自分の目で見てみたいと思うようになりました。3年生の春と夏にはカンボジアへ行き、ボランティアとインターンシップに参加しました。カンボジアはクメール語が公用語なので、うまくコミュニケーションが取れるか不安でしたが、現地の人たちはとても明るくフレンドリーで、毎日とても楽しかったです。
    しかし、カンボジアの朝は早い!と滞在中毎日思っていました(笑)朝5時にはバイクの音と人々の声で外が賑やかになり、普段遅く起きる私も、みんなにつられて毎日早朝から散歩をしていました。とても活発な国なので、行ったことがない方はぜひ訪れてみてください!
     
    日々の授業で国際協力について学ぶ中で、国際機関やNGOなどの取り組みは素晴らしいと感じますが、2015年にSDGsが採択されてからは、国際機関などの限られた組織だけでなく、企業や大学、また一人ひとりが責任を持って世界のさまざまな問題解決に参加する必要があると感じています。 
    私は先日就職活動を終えて、卒業後は日本で働くことになりました。社会に出てからも今まで勉強してきたことを生かし、途上国の人たちのために何かできるのではないかと思っています。今回の交換ノートでは、日本にいながらも途上国の人たちとつながり、何か力になれることを見つけたいと思っています!よろしくお願いします。 
     
    皆さんは、日本にいながら途上国へアプローチする方法として、何か良い方法は思いつきますか?
     
    最後に、私は今週末ゼミの海洋研修のために石垣島に行ってきます。台風が近づいているので飛行機が飛ぶか不安ですが、まだまだ大学生活を楽しみます!
    石垣島研修については、次回に共有できたらと思います。

  2. しろ

    こんにちは!人間関係学部人間関係学科3年のしろです。皆さんとお話できることが楽しみです! 
     
    外で体を動かすことが好きなのですが、最近は日中暑いので、涼しい場所で期末のテスト勉強をしています。日中は家で過ごす分、夕方や夜にさんぽをしています!空の色や音、においなど、夏の雰囲気が感じられて好きな時間です。みなさんの夜の楽しみもお聞きしてみたいです! 
     
    テンさんからの質問の「国外で起きていることに私たちがどうアプローチするのか」については、私も最近授業で考えましたが、結局答えは出ず……
    授業の中では、「SNSという方法が思いつくかもしれないけれど、全ての人がそこにアクセスできる環境ではないかもしれない」と学びました。難しいですね……考え続けなければいけないと一層深く感じました。
     
    また、何となく「途上」国という言葉に引っかかっています。そういった1つの事柄や言葉などに対して批判的に物事を見てみるということも私の学部では大切にしています。
    ただ、それでも見えていない部分がきっとあるからこそ、知り続けること・考え続けることが大切だと感じています。知らないことで無意識に誰かを傷つけてしまうことや、知らなければできるかもしれないことも始められない可能性もあると思います。
    最近は、1つに絞れないほど社会のいろいろな事柄に関心があり、特に「ジェンダー」「女性」「子ども」「教育」に関することが気になっています。
     
    次の人への質問です。
    大学で学んでいると関心のある情報が自ずと手に入りやすいですが、大学以外ではどのような場所・媒体から情報を得ていますか? 
     
    モアナさんが行われている性教育についても、どのように情報が提供され、どのように情報が受け取られるかといった、知りたい人・届けたい人への情報伝達についてお聞きしたいです! 

  3. 菊池 モアナ

    テンちゃん、しろちゃん、よろしくお願いします!
    Borderless Tanzania Limited 代表取締役社長の菊池モアナです。
    私は今、アフリカのタンザニアという国で若年妊娠による貧困と、生理の貧困を解決するために生理用ナプキンの製造、販売事業をしています。
     
    最近は、日本から学生さんたちが立て続けにタンザニアの工場まで来てくれたり、同じ志を持つタンザニア人女性起業家の方が工場に訪問してくれて新しいプロジェクトアイデアを一緒に考えたり、現在連携している国連人口基金との来年に向けた話が進んだりと、ワクワクすることがたくさんありました!
     
    そして実はベイビーNo.2がおなかにやってきてくれたので嬉しいのと同時に体調が悪かったりと、ジェットコースターのような毎日を過ごしています。 
     
    しろちゃんの夜さんぽ、とっても羨ましいです!しばらく日本の夏を過ごせていないので、夏の夜のにおいとか虫の音とか聞きたいです~!私の夜の楽しみは、好きなハーブティーを入れて精神世界の学びを深めるYouTubeチャンネルをゆったり観ることです!
     
    2人のノートを見て、とても賢くてしっかりと国際協力について考えているんだなと関心しました。国際協力ってやっぱり対象が色々なカテゴリーに分かれるのかなと思うのですが、私がサポートしたいと感じる対象を大きく分けると、
    ①絶対的貧困にあったり、危険に晒されている人たち
    ②現地の人自身が、現状がきついから改善したい!という気持ちや志がベースにある人たち
    だなと感じました。
    ①には当てはまらないけど、私たちから見ると貧困だと思える人たちの中には、②にも当てはまらず、「私、大変なので助けて、よろしく~」という自分の人生の舵を他人任せにしているような人たちが多いのも日々の活動の中で感じます。そういう時にサポートを届けるべきかを最終的に決断する際は、「自分がどうしたいか」をよく心に聞いています。このサポートは気持ちよく届けられるのか、それとも、「どうしようもなく」「仕方なく」という気持ちからくるのか。それをいつも注意深く自分の心に聞くようにしています。
     
    2人は、自分の心が動かされてしまう「何か」を知っていますか?
    自由にざっくばらんに教えてもらえたら嬉しいです。

  4. テン

    モアナさんの家族が増えるとのこと、本当におめでとうございます!
     
    今日は、ピクサーの新作『インサイド・ヘッド2』を観てきました!鑑賞中、こんなにも多くの感情を持ち、使い分けている人間は不思議でおもしろいなと感じました。また、前回の最後にお伝えしていた石垣島海洋研修では、とても有意義な学びが得られました。コバルトブルーの海の美しさに圧倒され、この場所を離れたくないと思うほどでした。研修を通して現地の方から島を囲む海洋ゴミの多さや生態系の変化について聞き、地球温暖化の深刻さとSDGsの重要性を深く学ぶことができました。
     
    しろちゃんのノートを見て、「途上国」という言葉について自分でも考えてみたら、カンボジアを訪れた時に感じた違和感が蘇りました。それは、現地の人は「自分たちは可哀想でもなく、貧しくもない」と思って毎日を生きていることです。私が現地で見た学校で遊ぶ子どもの笑顔や、活気づいた市場で働く人々の光景、インターンシップ先で一緒に働いた女性たちの楽しそうな姿を思い出しました。今改めて考えてみると、先進国で生活する私たちが勝手に自分たちの国と比較して、途上国と決めつけているだけで、現地の人たちの多くは「自分たちは不幸」とは思っていないのだと、カンボジアを訪れた時に何となく感じていました。そしてもう一つ、当時は「困っている人を助けたい!」という意気込みでボランティアに参加しましたが、実際に助けてもらったのは世間知らずの私の方だったことを思い出しました。つまり、先進国か途上国かは関係なくみんなが発展途上にあり、枠にとらわれず協力し合うことで前進していけるのだという結論に至りました。どんな相手に対しても尊重する気持ちと、慎重に言葉を選ぶことが大切なのだと思います。
     
    モアナさんからいただいた、①「自分がどのような事柄に興味があるか」②「特にどんな状況に置かれている人たちに対して心が動かされるのか」について考えてみます。
     
    ①私は三姉妹の真ん中で、姉も妹も昔からしっかり者だったので、私が1番家族に心配をかけることが多かったのですが、高校生の時にボランティア部に入部したのをきっかけに、誰かのために自分が頑張ることにやりがいを感じるようになりました。誰かの笑顔を引き出せるということに楽しさを感じるので、自分は人と関わり、相手を楽しませることに興味があるのだと思います。
     
    ②毎日生きることで精一杯な「絶対的貧困」に当てはまる人々への支援ではなく、無意識のうちに現状に満足している人々に対して、「能力を高め、選択肢を増やす」ということに関心を持っています。
    卒業論文では、「開発途上国における女性のエンパワーメントを促進するノンフォーマル教育の役割」というテーマで書いています。エンパワーメントとは、外部から刺激することで個人や社会の能力を高めることを意味していて、その手段として、教育環境が整っていない開発途上国ではノンフォーマル教育が重要ではないかと考えているところです。
     
    全体を通して「途上国」という概念に縛られず、相手を尊重し、楽しんでもらうことを大切にしたいのですが、対象者の選択肢を広げる具体的なアプローチ方法は、やはり教育的なものになってしまうでしょうか?学校の勉強のように堅苦しいものは好まないので、楽しく対象者の能力を高めるアプローチ方法を探すことを今後の課題としていきたいです。
     
    これは実際にカンボジアで仕事をしている日本の方に聞いた話ですが、日々経済発展しているカンボジアでは、「わざと貧しいと言うことで、援助してもらえる」と考える人が一定数いて、そうした人に対して援助したい裕福な国の人が心を動かされて援助するそうです。この状況を私はネガティブに捉えています。
    もしも、彼らが自分たちで生活をよりよくできる方法や選択肢を持っていれば、自分で自分の心を動かすことができるのではないかと思います。援助する側が情に訴えかけられて心を動かされてしまうことにも、実は危険な一面があると感じました。
     
    お二人は、今までの人生の中で、選択肢が広がった出来事や瞬間はありますか?
    例えば、それは自分からの一方的なアクションで広がったものなのか、誰かのアクションに便乗して偶然的に広がったものなのか。
    人の興味と選択肢が、どのようなときに広がるのかについて知りたいと思いました。

  5. しろ

    しろです!モアナさん、ベイビーNo.2おめでとうございます!
    テンちゃん、研修おつかれさまです!新たな環境の中の研修にまず飛び込んだところや、その中でも学びを深めている姿に、私も勇気をもらいました。
     
    私は先週から、地元に帰省をしています。就職活動が始まり、大学卒業後の進路を考える機会が多くなりましたが、最近は卒業後に働く以外にも学びを深めるなど、いろいろな可能性も考えています。
    地元で過ごしていたときはあまり感じませんでしたが、一度外に出たことで、帰省するたびに自分が過ごしていた場所の美しさや豊かさを感じています。いろいろな環境を知るのは大切ですね。
     
    モアナさんの「自分の心が動かされてしまう『何か』」については、「自分に対しても、目の前の相手や見えない誰かに対しても、『尊重することが大切にされているやさしさを感じたとき』」がその一つなのかなと思っています。
     
    日々過ごす中で、何かが「できること」がよいとされたり、「できる/できない」の評価や比較が多いなと感じています。そうは感じていても、その中で生きてきた私も、その「できる/できない」にどうしても縛られてしまい、その中で自分や誰かを尊重することは私自身も難しいと感じています。だからこそ、誰かを想うやさしさに触れたとき、その美しさに心が動かされるのだとも感じました。
     
    テンちゃんの「選択肢が広がった出来事や瞬間」は、過去に学校外のまなびの場で過ごした時間が、自分の選択肢や視野を広げた大きな出来事だったと感じています。そこに通い始める前にもフリースクールを知る機会がありましたが、当時はどちらかといえばネガティブなイメージを持っていたため、通うまでに至らなかったこともありました。
    この自分の経験からも、何かを選択する際はそのことについて知っていたり、少しでもふれた経験がないと、新しい選択肢を選びにくいと思います。また、偶然出会えたとしても、そもそも出会える環境にいる必要があったり、周りの人の影響も大きかったりすると感じています。だからこそ、教育の場だけに限らず、何かを学んだり、知ったり、ふれてみることは、人が選択する中で大切なのだと思います。
     
    お二人が、新たな環境に身を置いたとき、何を考えたり大切にしているのかをお聞きしたいです!

  6. 菊池 モアナ

    2人ともベイビーのお祝いをありがとうございます!
     
    「心が動かされる何か」について考えてくれてありがとう!
    とっても素敵な答え&2人はとても深く考えられる力があるんだなぁと感動しました。
    しろちゃんは、"やさしさ"をより具体的に分析して「尊重することが大切にされる"やさしさ"」と説明してくれていて、それを言語化できるって素晴らしいなと思いました。
     
    テンちゃんの質問に対するしろちゃんの回答もとても共感できて、知っていることにふれる機会があることって本当に選択肢を広げるなと思います。
     
    しろちゃんからの質問について。
    私が新たな環境に身を置いたとき、まずはその現状やその場所にいる人たちについて学んでみること。そして、そこから学ばせてもらうことを意識しているなと思いました。 
    大学生の時、1人でハワイのゲストハウスに3週間滞在しました。その時に交流した海外の方が私よりも日本についていろいろと知っていて、日本人として恥ずかしく感じた経験(知らないということを学べた経験)がありました。だからこそ、自分の言葉で日本について語れるようになってから海外へ行こうと決心し、日本一周の旅に出て各地で多くのことを学びました。そのおかげで、留学中や海外へ旅した時は各国の人とより深い話ができたり、学ぶ姿勢があるからこそ周りの人が一生懸命教えてくれたり案内してくれたりしたんだなと、今振り返って思います。
     
    テンちゃんは「誰かのために頑張ることにやりがいを感じる」ということを掘り下げて、「相手の笑顔を引き出せること、相手を楽しませることに嬉しさや楽しさを感じる」と気がついていて、本当に素晴らしいなと感じました。それプラス、潜在的な能力にアプローチすることに興味があること、そしてそれを卒論のテーマにしていることも、日頃からちゃんと自分を知ろうと考えて動いているからなんだなと関心しました。
    テンちゃんの文章のなかにも「『途上国』という概念に縛られず、相手を尊重し、楽しんでもらうことを大切にする」とあったけど、2人にとって相手を尊重することはとっても大切で重要なことなんだね。私も、相手を尊重することこそが世界平和につながる第一歩であり、軸になるところなんじゃないかなと本気で思います。
    テンちゃんのお話をもう少し深掘りしてみたいなと思ったのだけど、「開発途上国で選択肢が限られている人」ってどんな人なのかを、もう少し具体的に、例えば小学生に説明しても想像できるレベルまでかみ砕いてみるのもヒントになるなと思います。
     
    テンちゃんの質問「今までの人生の中で、選択肢が広がった出来事や瞬間はありますか?」の回答をシェアさせてもらいます。
    私がこれまで、選択肢が広がったなと感じた出来事は、素敵だなと思う人生を歩んでいる人との出会いだったなと思います。好きなことをして生きていくことが人生の目的だとすると、好きなことを仕事=生きる術につなげているロールモデルたちに、「どうやって実現しているのか」だったり、その人たちの「考え方」や「行動スタイル」や「習慣」を聞いてみたりすることってとっても重要なのではないかと思っています。
    独自のスタイルで自分の人生に幸せを感じながら生きている多様なロールモデルたちに、できるだけ多く出会える機会を作り、暮らしを覗かせてもらうってすごく選択肢が広がるきっかけになるのではないかと思います。
     
    2人とも素敵な時間を共有してくれてありがとう。

  7. テン

    今週はファミレスのアルバイトに明け暮れています。
     
    しろちゃんが言っていた「できる/できない」で評価されることについて、急に社会の風潮を変えることはできないだろうけど、「尊重や誰かを思うやさしさ」はきっととても大事なことだから、そんな世の中になればいいなと私も思いました。
    人は、知っているものの中から選んでいくことや、偶然に出会えたとしても環境がとても重要になることも勉強になりました。
    選択肢を広げる方法は教育の場だけではないという意見をもらい、もっと「日常的な瞬間」に選択肢が広がるようなアプローチをするのも良いのかもしれないと思いました。
     
    それから、モアナさんが言っていたように、選択肢を知ることができても土台が整っていない場合を考慮する必要があることを踏まえて、私がサポートしていきたいと思う具体的な人を考えてみると、「女性、特に子を持つ母親」という答えが浮かびました。多様性の時代とはいえ、無意識に固定概念に縛られている場面は多いと思います。その中でも性差別や、母親という立場から自分の選択を狭めている、狭められていることに深く違和感を抱いています。彼女たちはもっと能力を発揮できるにもかかわらず、周囲の環境によって自身の可能性に気づいてすらいないとしたら、それは非常にもったいないと思います。
     
    モアナさんが「まずは現状やその場にいる人たちについて学ぶ」とおっしゃっていて、確かに、直接土地や相手を知ることが何かを始める時には非常に大切なことだと共感しました。
    しろちゃんが言っていたように、世の中に選択肢は多く存在しているように見えるけれど、実際には、一人ひとりの選択肢には限りがあり、その中でベストを探していくのだと思います。
    選択肢を増やすだけで、人は変われると思っていましたが、万人に響く「選択肢の豊富さ」よりも、一人ひとりの現状や過去を知り、その上で「洗練された選択肢」を提示することが重要ではないかと思いました。一人ひとりのバックグラウンドを考慮する上で、土台を整えることに関わることは、結果的に選択肢を広げるために重要であると感じたため、土台作りのサポートもしたいと思いました。
     
    途上国における女性、特に子を持つ母親をサポートするための一つの方法として、モアナさんの選択肢を広げたロールモデルという存在と、途上国の女性たちを結び繋げるのも良いかもしれないと感じました。SNSが発達した現代なら、遠く離れた人をロールモデルとして見ることもできるかもしれません。
    また、私がそうであったように、比較的貧しいと言われている国の女性たちのパワーに魅せられ、彼女たちが誰かのロールモデルになる可能性もあると思います。先進国も途上国も関係なく、人として互いの生き方を尊重し、互いのロールモデルになれたら素敵だなと思いました。そのためには、彼女たちのバックグラウンドや興味関心について深く知る必要があると感じました。
     
    私は、新たな環境に行ったら間違いなくワクワクします。それは、誰も自分の過去や日常を知らなくて、新しい自分になれると思っているからだと思います。新しい環境に身を任せ、何が起きても受け入れて、上手く対応していく自分を楽しんでいます!人生において対応力は1番と言っても過言ではないほど重要な能力だと思っています。その能力を磨くことにワクワクしている自分がいるのかもしれません。
     
    最後に。年齢も異なり、この企画を通して初めて出会ったお二人とこんなに深いやり取りができ、交換ノートを始める前と後で自分の考え方に変化が生まれ、驚いています。
    日本に居ながら途上国と関わる方法を考えたいというアバウトな思いで参加しましたが、しろちゃんがそもそも途上国とは?という部分に疑問を持ち、モアナさんがより具体的に考えるように促してくださったおかげで、将来に対するイメージが濃くなったと感じています。絶対に1人では導き出せなかったので、お二人には感謝しかありません!本当にありがとうございました!

  8. しろ

    テンちゃんはたくさんの場面で自分の実体験を交えたエピソードを話していて、机上で知ること・考えることが多かった私にとっては今の社会で起こっている現状を(全ては想像しきれないけれど)より鮮明に想像することができて、すごく深みのある学びができたと感じています。交換ノートの最初から今自分がいる場所で何ができるのかを考え続け、限られた時間の中でさらに深掘りしている姿や、いろいろなところにちりばめられている言葉をたくさん拾い上げている姿、お話が印象的でした!
     
    モアナさんのサポートを届ける時の「自分がどうしたいか」や「心からしたいと思えば」行動に移せる、という言葉が印象的でした。相手を尊重するには、まず自分の気持ちを尊重できていないと、相手を想うことは難しいだろうなと感じました。
    オンライン上で会話した際に、ナプキンの付け方から、性的同意や男の子への性教育の重要性などについて、タンザニアでは家庭で教えてもらえることが多くないからこそ、教育の場で実践されていることを聞いて、モアナさんが行っている教育内容は、私自身が受けてきた教育の中にもあまりなかったことだと気づきました。家庭での教育に頼ることで差が生まれてしまうからこそ、私たちもモアナさんが行っている性教育からヒントを得る必要があるように感じました。
     
    私は、他学部の人と関わることや学んでいることを知る機会が少なく、学外の方とは自分の興味関心でつながった限られた人としか関わってきませんでした。今回、この交換ノートという場で出会えて、お話を聞かせてもらうことができて、とっても楽しかったです!
    お二人ともいろいろなことに興味を持って新たな環境に飛び込んだり、その経験をとっても楽しく、また深くお話しされていて、私自身も視野を広げることができました。お二人のアクティブな活動を聞いて、私も何か活動的に...!と思いましたが、自分に合った方法で自分にできることを少しずつ、じっくりと見つけて行動していきたいと思います。
    また、考えを改めて言語化したことで、日頃から学び、考えていたことを実生活と結びつけながら考えることができ、より深く、自分や周りのことに対して思いを巡らせることができたなと感じています。
     
    お二人のお話はとても明るくて、この交換ノートを開くたびに私自身もあたたかい気持ちになっていました。
    豊かでとっても楽しい時間を、ありがとうございました!

  9. 菊池 モアナ

    短い間でしたが、テンちゃん、しろちゃんの二人と考えていることや思いを共有し合うことができたことは、私にとってとてもかけがえのない素晴らしい時間でした。
     
    みんなのアルバイト話を聞いて、私の楽しかったアルバイト時代を思い出しました。
    私は高校生の時に朝マック、大学からスタバ、パタゴニア、LUSHと色々と経験しましたが、どれもオペレーションの方法や、社会貢献活動はどんなことをしていて、どう社員に浸透させているのか、どう働く人たちのモチベーションを高めて良いチームを作ろうとしているのか……などスパイのような視点で学びながら働いていました(笑)
    そう思うと、いつか自分がチームを作ることに無意識的に気づいていたのかもしれません。 
     
    話は変わりますが、テンちゃんは女性のエンパワーメント、選択肢を増やす活動に加えて、その先の土台づくりもやってみたいという考えがあるんだね!
    私も日々の活動で女の子たちが活躍できる土台作りを意識していて、常に考えていることは、「どんな土台があれば、その人たちの可能性を最大限に引き出せるのか」「どんな土台があればその人たち自身が可能性を最大限に発揮できる仕組みになるのか」ということばかりな気がします。
    同じ「子を持つ母親」でも、一人ひとり経済状況や家族との関係性も違うはず。でもいくつかのパターンに分けられると思うので、そのパターンごとにどういう土台(≒サポート)があると彼女たちが自分の力で進んでいけるようにエンパワーメントできるかを考えています。
    テンちゃんの将来が今からとっても楽しみでたまらないです! 
     
    しろちゃんは「相手を尊重する中では、まずは自分の気持ちを尊重したものがないと、相手を想うことは難しくなるのだろうなぁと感じた」ってお話してくれていて、本当にそうだよなぁと思います。相手を知るためには、まず自分の考えや信じていることを知って、それを大切にして、その上で相手を想うことができると、より大きくて強い愛として届くのではないかなと思いました。 
    しろちゃんのペースでしろちゃんらしく歩んでいってね!これからの人生がどうなっていくのか、とってもとっても楽しみにしています!
     
    ほんの少しの間でしたが、普段言葉にすることのない自分の考えをシェアして、同じトピックを共有するってとっても素敵で質の高い時間だなと感じました。
    「『忙しい』は『心をなくす』と書く」といいますが、本当にそうで、こういった時間をしっかりとって心や考えを共有し合うことで、「私はいつもこう考えているんだな」っていう自分への気づきが深まる温かい時間になりました。

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