現場のリアルから考える、福祉・看護・教育の未来を変えるためにできること

「大変そう」「辛そう」といったイメージが強い日本の福祉・看護・教育の現場。正義と正義がぶつかり合う苦しみや葛藤の中で、「正しさ」や「普通」とは何だろう。これらの業界が抱える課題について、年齢やライフステージの異なる4名がこれまでの経験や価値観をもとに多角的な議論を重ね、目指したい未来について言葉を交わしました。

この交換ノートのグループ

廣瀬 あゆみ

株式会社リィ 代表取締役社長

新卒でソフトバンク株式会社に入社し営業企画に従事。結婚を機に愛知に。教育企業にて新規事業立ち上げに携わる。出産で一度専業主婦になるが、縁あって福祉ベンチャーの採用広報にて仕事復帰。その後2018年11月に当社を設立。現在は2児の母として奮闘しながら、運動療育に特化した「Lii sports studio」を13拠点運営、100名以上の社員とともに良質な運動機会の提供により幸福度の高い世界を作ることに邁進している。

はな

教育学部 子ども発達学科 4年

きなこ

人間関係学部 心理学科 3年

ここ

看護学部 看護学科 2年

  1. はな

    こんにちは!教育学部4年 はなです!

    実は私は一度、椙山の生活環境デザイン学科を卒業してから教育学部に入り直しています。
    年齢の割に見た目が幼いので、未だに中学生と間違われます。大学内で中学生のような人がいたら私です。声をかけてみてください(笑)
     
    最近は幼稚園実習が終わり、そろそろ卒論に取りかからないとと思いながらも何も手をつけていなくて焦っています。
    卒論では、非認知能力(コミュニケーション力、想像力など数値で測れない力や発達障害の子ども達について取り上げたいなと考えています。もしこのような内容でちょっとした疑問点や、興味のあることがあったら教えてください!卒論に繋げられるかも……
    子どもと関わることが好きなため、アルバイトでは幼稚園の先生の補助や、障がいを持つ子どもの学童スタッフ、障がいを持った方が働く際のサポートをしています。また、子ども達に日本舞踊を教えることもしています!日々、子ども達や障がいを持った方に、どのように関わっていくとよいのかを考えています。
     
    これから、よろしくお願いします!

  2. きなこ

    こんにちは!人間関係学部心理学科3年の、きなこです!

    よろしくお願いいたします!
     
    心理学科では、「なぜ人は同じ時間でも長く感じたり、短く感じたりするのか?」という身近なことから、心理師の対応といった専門的なことまで、目に見えない「こころ」について幅広く学ぶことができます!私は子どもや発達について興味があるため、発達心理学や子ども福祉など、子どもに関することを中心に学んでいます。
    興味を持ったきっかけは、1年生の時に受けた発達心理学の授業が面白かったからです。当時の授業で印象に残っているのは「子どもは何歳くらいで自分を認識できるようになるのか?」というもの。最初は鏡に映っている自分の姿を他人だと思うが、だんだんそれを自分だと認識し始める、という話が印象的でした。
    授業を受けると自分が子どもだった頃を思い出し、あのような行動をしたのはこう考えていたからなのか!と、当時は上手に言語化することができなかった自分の心情を客観視することができて、興味深いです!
     
    私も授業で発達障害について少しだけ学び、児童養護施設で暮らす子どもたちと関わる機会がありました。福祉の現場は閉鎖的で大変そうだという印象がありましたが、施設の子どもたちはさまざまな事情を抱えながらも明るく、アットホームな雰囲気でした。
    実際に行ってみないと分からないことがたくさんあるなと感じたので、障がいを持つ子どもの学童スタッフのアルバイトに興味が湧いています。
     
    交換ノートは知らなかったことを知れる、貴重な機会だなと思います。
    改めて、よろしくお願いいたします!

  3. ここ

    こんにちは!看護学部2年の、ここです!
     
    私は保健、健康に興味があり、保健師を目指して看護学部で勉強しています。
    看護師ではなく「保健師」を目指しているのは、昨今の病院が高齢化のために患者さんでパンパンになってしまうという現状を見て、健康な人が健康を維持することの大切さを感じているからです。そのためにも、病気の発症の一歩手前にある「未病」に取り組みたいと考えています。
    健康は全ての人にとって身近なことで、全人類の共通の話題なので、学べてよかったと日々思っています!
     
    私は2年生でまだ実習やゼミなどの具体的な活動は行っていませんが、色々と学習する中で性教育についても、とても興味を持ちました。
    日本ではあまり性教育をしないことが問題視されています。例えば小学校4年生に行われる生理についての集会は、女子だけを集めて行います。
    女子が男子の身体について知らないこと、男子が女子の身体について知らないこと、それが将来大きな問題を生むのではないかと感じています。まだまだ具体的な私のビジョンは見えていませんが、日本の性教育についての改革に携わることが今の目標です。
     
    これからよろしくお願いします。 

  4. 廣瀬 あゆみ

    こんにちは!廣瀬あゆみです!

    あゆみさん、あゆさんと呼ばれています。よろしくお願いします。
     
    現在は福祉の事業をしています。と言っても福祉がやりたいのではなくて、福祉業界を組織から変えたいという想いが根底にあります。
    自分がおばあちゃんになった時、きっと福祉に助けられるんだろうな、と思います。でも当時の私には福祉で働く人たちは疲弊している印象があり、そんな現状を変えるためにHAPPYな福祉の会社を作ろう!と思ったのです。
     
    福祉の現場が世間から大変そうだと言われるのは、正義がぶつかり合うからだと思います。看護の現場でも延命措置について賛否の声が聞かれますが、延命措置をすることとQOLが高い状態で死ぬこと、どちらも正しいと思います。保育の現場で子ども達が自由に遊ぶ中で得られる学びと、教えることで得られる学びも、どちらも正しい。
    そして大概、そんな価値観が1つの組織のなかで両方存在している。そういった場合は、年長者の「正義」で、若い人が押しつぶされてしまうこともあるかもしれません。
    子どもが好き、患者さんには良くなってほしいと思うけれど、自分の正義とは違うことをやらなくてはいけない苦しみが大変なのではないかと思います。
    その多くは会社や組織の問題で、私はそこを変えたいと思っています。
    私と異なる正義を否定はしない、けれど私の会社ではやらない。私たちの価値観に共感してくれる人たちと一緒に納得のいく仕事がしたい、という思いで採用活動をしています。
     
    これまでマーケティングや新規事業の立ち上げなどさまざまなことを経験してきましたが、いま私が一番興味のあることは「組織開発」です。
    一人ひとりの性格や思考特性、強み弱み、性別や年齢、スキルなどを鑑みてどのように配置するか、どうマネジメントして最大化していくか、そしてそれが集合体になったときにどのようなパフォーマンスになるのかなどのセオリーを見つけたいと思っています。それを、自分の会社で社会実験的に試行錯誤しながら研究しています。
    これまで生きてきた色々なコミュニティにおいて、ありのままの自分らしくいられるところ、少し居心地の悪いところ、少し頑張って成長できたところなど、きっとみなさんにも色々な経験があるのでは?と思っています。どのような組織やコミュニティ、チームにいるときの自分が好きだったか、成長を感じられたかなどを皆さんからも教えてもらえると嬉しいです。
     
     
    実は昨日、お仕事で沖縄に行ってきました!御菓子御殿の工場直売?の生紅いもタルトなるものがとても美味しかったです。紅いもタルトはよくお土産でいただくので知っていましたが、工場直売の「生」だとこんなに美味しいのかー!!!!と感動しました。
    そして、のんびりとソーキそばを食べていたらなんと飛行機に乗り遅れました(笑)お金は余分にかかりましたが、別の便で帰れたので問題なしです!26,000円くらいの高級ソーキそばを食べたことにしておきます。これもまた、出張の良い思い出でした。
     
    改めまして、皆さんよろしくお願いします!

  5. はな

    2週目を始めていきたいと思います!

     
    あゆみさんのコミュニティについて、まずは話していきたいと思います!
     
    私は、今までさまざまなコミュニティに参加してきましたが、自分が輝ける時は、何かに成功したり、自分が役に立てたと思う時なのかなと思います。
    成長を感じられるような環境というのは、自分にとって少しハードルが高いかな?と思ったことに皆で協力して取り組み、成功できた時。自分自身がパワーアップした感じがしていいなと思います。
     
    グループで動くと自分の不得意な部分も見えてくるので、そこを自覚できる場でもあるのかなと思います。初めてのコミュニティに入るハードルを超える部分が一番難しいですね……私も以前はなかなか踏み出せませんでしたが、勇気を出して東京のSDGsのコミュニティにオンラインで入ってみました!
    そこでは、いろいろな方と出会えて、とても学びが深いと感じています。自分を変えるためにも、まずは自分の心のハードルを超えて挑戦してみるのもありかなと思います。
     
    さて、現在私は空港にいます!
    実は、今からフィンランドのヘルシンキに向かいます。幼稚園の視察と、我が家に3年以上留学に来ていた友人の結婚式に家族で行ってきます!
     
    皆さんは行ってみたい、もしくは行ったことがある国や場所はありますか?
    ぜひ教えてください!

  6. きなこ

    こんにちは!アイスクリームが一層美味しく感じる季節になりました。

    皆さんは、アイスは何味派ですか?私はチョコミントの美味しさに気付いてからチョコミント推しです!(笑)
     
    あゆみさんの投稿にあった、「どんなチームにいるときの自分が好きだったか」について考えました。
    私は小学生から高校生まで吹奏楽部に所属していて、チームで音楽をつくりあげるということを経験しました。吹奏楽は、演奏する曲のイメージを演奏者全員で統一して、互いの音を尊重しながら一つの音楽にしていきます。辛いこともありましたが、私は吹奏楽部で活動している自分が好きでした。
    なぜ、あんなに辛い練習に耐えることができたのか。それは私を含め、部員には「見てくれる人を笑顔にしたい」という共通の目標や使命感があったからだと思います。
    コンクールや音楽祭で、お客さんが笑顔で聴いてくれる。「感動した!」と言ってくれる。プロの演奏者ではないけれど、聴いてくれる人の心を動かすことができていたのかなと思います。現在は部活には所属していませんが、吹奏楽部の活動で得た学びは、私にとってとても貴重なものになっています。
    今は、将来の夢は具体的には決まっていませんが、同じ目標に向かって、尊重し合いながら自分の力が発揮できる環境で働くことができたら良いですね。そして、自分のためというよりは、誰かのために働くことができたら良いなと思います。
     
    さて突然ですが、皆さんは「子どもって羨ましい!」と思ったことはありますか?さまざまな場面において大人のような責任を負わなくて良いため、そういった意味では子どもは大人に比べて楽なのかもしれません。
     でも、自分の子どもの頃を思い出すと、幼稚園の頃からそこには「社会」があり、暗黙の了解があり、社会に適応するために色々と気を張っていたなと感じます。大人から見るとただの無邪気で可愛いらしい子どもに見えるかもしれませんが、子どもならではの不安や苦しみを抱えながら毎日必死なのだと思います。
    小学校や中学校ではクラス替えで1年の顔ぶれが決まり、クラスに仲の良い友達がいたら楽しいけれど、いなかったら辛い。外からは楽しく遊んでいるように見えるかもしれませんが、実際はコミュニティがとても狭く、自由がない。思い返してみると辛いこともあったなと思いました。
    子どもの頃の事は時が経つと忘れてしまうこともありますが、子どものときに感じていた不安やもどかしさなどの心情は忘れてはいけないのかなと思います。
     クラス替えや席替え、友達関係。激動の毎日を過ごす子どもたちの小さなサインに気付き、支えられる大人になりたいなと思います。
     
    そして、はなちゃん!私は渡航経験がないので挑戦したいです。ハワイの海を見てみたいです。
     

    話は変わりますが、先日サブスクで「きのう何食べた?」という映画を観ました。聞いたことのある題名だなと軽い気持ちで観たのですが、とても心が温かくなりました。誰かを大切にしたいとか、ずっといっしょにいたいとか、そういう思いに性別や年齢は関係ないのだと思いました。とても素敵な作品なので、ぜひ観てみてください。

  7. ここ

    おはようございます!
    雨が降ったり降らなかったり、梅雨が明けたような明けていないような微妙な天気が続いていますね。皆さんは、雨で偏頭痛などの身体の異常を感じますか?私は古傷が痛みます。古傷といえどまだ19歳なのでそこまで古くないのですが……(笑)
     
    きなこさんの投稿にあった、子どもを羨ましく思ったことがあるかどうかを考えてみました。私はまだ就職もしていませんし、老後も経験していませんが、どの年齢でもストレスの度合いは同じであると思います。少なくとも私の今までを振り返ると、そうでした。小学生の時は友達よりも習い事の習字の階級が上がるのが遅く、中学生の時はバスケの試合で上手くいかなくて傷つき、高校の時はバスケと勉強の両立と怪我。今までを振り返ると、年齢を重ねるにつれて一層大きなストレスがありましたが、同じく年齢を重ねるにつれてストレス耐性もついてきていたと思います。そう考えると、どの年齢でもストレスの度合いは一緒だと思うのです。子どもの時も今と同じくらい悩んでストレスと戦っていました。
     
    皆さんは、人に自分がどう映るかを気にしますか?また、自分の弱さを見せることは悪いことだと思いますか?

    私は、人に自分がどう思われているかをとても気にする性格です。今まで、礼儀正しくしなければいけない、気に入られたいと気を張りつづけてきました。また、自分の弱さを人に見せてはいけないと思っていました。しかし、大学に入って看護学を学び、サークルや大学の友達、教授と関わったことで、ある程度自分のアイデンティティが確立されたように感じています。
    高校まではバスケ部の友達と一緒にいることが多く、「目標に対して努力することが美しい」という価値観の中で過ごしてきました。大学に入り、部活をしていない子たちと過ごす中で「今を楽しむのが一番」という、努力だけが美化されないような考え方に刺激を受けました。これまでの自分とは全く異なる考えを持つ子と知り合ったことで良い影響を受け、生きやすくなりました。
    そして、ありのままの自分でいる方が魅力が伝わること、生きやすいこと、弱さを見せられることは強みであるという学びを得ました。
     
    子どもと教育、福祉、ケアの関係に興味を持つ皆さんは、ゆくゆくは人と親密に関わる職業に就く人たちだと思います。うわべだけの関係ではなく、情緒的にも人生に関わるお仕事です。人の心の健康に関わるよりも先に、自分の心の健康や自分自身について知ることはとても大切ですよね。
     
    私が保健師になる時は、自分が育ってきた地区も良いですが、田舎のように皆の顔が見えるところで働きたいと思っています。職場の人間関係や患者さんとの関係がうまくいかない事もあるようですが、人と人の関係なので、考え方によって関係性は変わるはず。性格や価値観が合わなくても、笑顔でお互い仲良くしたいという思いでやっていけばそういうこともないのではと思います。賑やかで楽しいところで働きたいですね。
     
    突然ですが、皆さんはMBTI 性格診断をやったことはありますか?韓国で有名になり、少し前に流行ったみたいです。一歩時代遅れの私は、最近ようやくやってみました(笑)
    占いとは違って、質問に自分で答える形式です!自分が物事をどう考えるタイプなのか、参考になって面白いですよ。
    ぜひやってみてください!
    https://www.16personalities.com/ja

  8. 廣瀬 あゆみ

    ムシムシと雨の日々ですね。

    福祉のお仕事をしていると、天気と人々のメンタルに相関関係があることを感じずにはいられません!
     
    さて、前回「どんな組織やコミュニティ、チームにいるときの自分が好きだったか、成長を感じられたか」という問いかけを皆さんにした理由を少しお話ししたいと思います。
     
    私は、同調して生きていくよりも、困難を乗り越えたときに人は成長するものだと思っています。
    しかし、若い人は違うかも?と思ったからです。
     
    言わなければいけないことは、相手に言うべきだと思っています。
    例えば妊娠・出産の時、自分の経験だけで「つわりは辛くない」と言ってはいけない。辛さや痛みは人によって違うことが当たり前で、同じ女性であっても、わからないことが前提だと思います。
    組織内でも「これは違うよね」「これはこうだよ」と正直に言い合える関係であるべきだと仮説を立てていましたが、若い人はどう考えているのだろうと気になりました。
     
    さて、きなこちゃんの「子どもが羨ましいな、と思う瞬間」について。
    実は、いま私はあまりそう感じることはありません。親の保護監督下にある限りその範囲での人生になる気がしていて、だからこそ親の関わり方は大きいな、と。なぜそう感じるのかを考えた時、たぶん今の私は、誰の制約も受けることなく自分でやりたいことを選択し、ほぼ全てを自分の意思で決められるから「大人って楽しいな」と思っているのだと気づきました。素敵な問いをありがとうございます。
     
    ここさんの「顔が見える現場で働きたい」について。
    私の会社では「151」という取り組みをしています。朝1分、昼5分、帰る前1分、体操のお兄さんと呼ばれる151担当の社員が中心となり、全社員がオンラインで心拍数を120〜130くらいまで上げる運動をしています。従業員は100人ほどいますが、この取り組みが社員同士が顔を合わせられる機会のひとつになっています。
     
    仲良くやりたいとここさんも言っていましたが、私たちは敵じゃない、と常に言うようにしています。皆が子どもたちのために動いているのだから、向かっている方向は一緒。ベテランやトップがそういうコミュニケーションをとることが大事ですね。
     
    基本的に人は変わらないと思っています。大切なのは、起こったことをどう解釈するのか。その解釈が他責だったりネガティブだと、どこへ行っても同じです。
    人が変わるのは、自分から変わりたいと思ったときだけ。ですが、気づきやきっかけを与えることはできるのでそういうアプローチをするようにしています。
    最近、長男の小学校のPTAバレーボールチームに入部しました。仕事では組織のトップでさまざまな意思決定をさせてもらっていますが、自分が新人として新しい組織に入る立場になり、色々な気づきと学びがありました。こんなふうに声かけや気遣いをしてもらえると嬉しいんだな、こんな配慮があるともっと安心できるな、など。慣れ親しんだ仲間とだけではなく、これからもコンフォートゾーン(居心地のよい場所)を出るような人生を生きていきたいなと思いました。
     
    皆さんも、最近コンフォートゾーンを出た経験などがあれば教えてください。
    人生は有限!今が1番若い!らしいので、楽しんでいきましょう。

  9. はな

    きなこさんの「子どもは羨ましいか?」について考えてみました!

     
    フィンランドでの経験をもとにお話させていただこうと思います。
    フィンランドと日本では環境が大きく違いました。
     
    特に子どもの環境、そして大人の立場ごとの周辺環境にも違いを感じました。
    フィンランドでは、子ども中心に街が作られています。日本では、子どもでも周囲に気を遣うことに疲れたり、人間関係の悩みから自殺をしてしまうということがありますが、フィンランドでは子どもを最重視しており、のびのびと自分らしく過ごす子どもたちを見ることができました。
    幼稚園の頃から子どもを含めた三者面談もあります。子どもが日々の生活をどう思っているのか絵を描きながら面談を行います。そして、そのアンケートのほとんどが、「お家に帰りたくないくらい幼稚園が大好き」という結果だったそうです。

    幼稚園以外では、街の公園(どこに住んでいても、徒歩5分圏内には公園があるようです)でいつでも遊べるように、おままごとセットも常に貸し出しができる状態でした。
     
    子ども中心であることが、フィンランドの子どもの自殺者数が世界一少ない理由の一つだと感じました。
    フィンランドの取り組みを参考にして、日本の子どもを取り巻く環境も変えていける部分はたくさんあるように思います。
     
    フィンランドでは、大人にとっても過ごしやすい環境が整っていました。フィンランドの国民性として、ポジティブに助け合う水平的な関係性が保たれていたように感じました。上司は常に部下にアンケートをとって改善点や意見を聞き入れ、問題のある部分はお互いに改善し合うという関係性が構築されています。上司と部下というよりは、仲間と呼ぶ方が近いかもしれません。フィンランド人の人柄、国柄が色濃く表れた部分でした。
    他にも、日本の教育監査では、問題点を見つけて指摘しますが、フィンランドでは問題を改善する方法を見つけ、それに付随するアドバイスの提案がセットとなっており、互いに協力して良い教育を作れる仕組みとなっていました。
     
    このように、私は日本がもっと良くなるためには子どもの環境を見直すと同時に、大人も互いを信じ合い、助け合える環境を、国の中心から作っていくことが必要なのかなと思います。
     
    生活科学部と教育学部に在籍したことで挑戦することが増え、環境や教育の視点、視野がとても広くなりました。
    これからの日本は、上司が部下の中心となって、皆で円となり力を合わせていくことが重要だと思います。
     
    写真は、フィンランドの幼稚園の子どもたちが作ったアートです。
     
    今回、さまざまな視点の考えを知ることができてとても勉強になりました!ありがとうございました。

  10. きなこ

    皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

    私は先日、友人と京都観光をしました!外国の方も見かけたので、海外から見ても日本は素晴らしい場所なのだなぁとしみじみ思いました。
     
    あゆみさんの問いであるコンフォートゾーンを出た経験について考えました。私は今年の春休みに、自動車運転免許証を取得するために静岡県で一人、2週間ほど合宿をしました。
    一人暮らし、自炊、免許を取るという初めてのことばかりで、忙しかったのを覚えています。また、一人で参加したため知り合いがおらず、不安でした。しかし、分からないところは聞いて、時には相談にも乗って……と、最終的には大切な仲間もでき、濃い2週間を過ごすことができました。
    今までは行動範囲も狭かったのですが、初めて自分で決断をして、一人で挑戦したことで本当に強くなれました。免許証以外にも大きなものを得たように感じます。
    留学経験のある方や一人暮らしをされている方からすると、私の合宿なんてちっぽけかもしれませんが、私にとってはコンフォートゾーンを出た経験なのではないかなと思います。現在は地元に戻っていますが、免許合宿での経験は、再びコンフォートゾーンを出てみたいと思わせてくれます。今後も、目標に向かって恐れずに行動したいです。
     
    私は子どもや発達に興味があり、心理学科ではそのようなことを中心に学んでいます。座学や、子どもと関わるインターンシップ、ボランティアを通して「知らない」はもったいないことだなと感じました。福祉というとネガティブなイメージを持つ人が多いのではないのかなと思います。
    私も今まではそう思っていました。しかし、心理学科での学びを通してそれは自分が無知だったからだと気付かされました。現場を見たり施設の子どもたちと関わると、逆にこちら側が元気をもらうこともあるということも実感しました。
    もちろん、福祉の現場で働く上で辛いこともあると思いますが、それはどの職業でも同じなのではないのかと思います。福祉をよく知らないにもかかわらず、自分基準で判断をして自分には関係ないと現場だけに押し付ける。そんな風潮が、社会にはあるように感じます。一人ひとりが知ろうとすることで福祉が身近になり、福祉への正しい理解が深まることで人材の確保につながり、それによって質の高い福祉を提供することができるのではないかと思います。簡単なことではありませんが、一人ひとりの意識が変わることで社会は変えられると信じています。
     
    そして、知ることの他に、受け止めるということも非常に大事だと思います。心理学科では心の病気のことや発達障害のことなどを学ぶ機会が多くあります。
    よく、「マイノリティを認めよう」といった言い方をされることが多いですが、その言い方は少し違うのでは?と私は思います。病気や障がいを抱えていない「普通」のマジョリティが、支援が必要な「普通じゃない」マイノリティを認めて"あげよう"というような、少し上から目線のように思えます。
    社会には色々な人がいるのだと受け止めることが重要で、マイノリティを異質とするのでなく「当たり前」だという意識で過ごせたら良いのかなと思います。それは、ジェンダーに関しても同じだと思います。心理学科ではジェンダーについて学ぶ機会も多いため、授業を受けた際に感じました。
    病気や障がいを抱えず、身体の性と心の性が一致し、異性愛者であるという社会の「普通」は、本当に多くの人を苦しめていると思います。知ること、受け止めることを一人ひとりがしていかなければならないと強く思います。
     
    私は他人にどう思われているかということを、とても気にしてしまいます。しかし、今回の交換ノートを通して皆さんの考えに触れたことで、もっと自分に自信を持とうと思いました。交換ノートで学んだ多くのことを今後に生かしたいです。
     
    今回は、貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

  11. ここ

    私も自動車学校の免許合宿に行ってきました!初めて親元を離れた生活をして、家族のありがたみを実感しました。

     
    「大変だと思われている福祉の現場で、イメージの変革に必要だと思うこと」について考えてみました。
     
    福祉に関わる仕事は確かに大変そうです。普段、看護の仕事や概論を学ぶ中でも、看護師の仕事は神に仕えるお仕事のようだと感じます。多くの価値観が入り混じる現場で命という尊いものが関係するため、人と人とがぶつかるタイミングが増えるのは自然なことだと思います。
    さまざまな正義が戦い、どちらが正しいとも言えない考え方が入り混じる看護の現場は、楽しいだけのキラキラしたお仕事ではありません。
    しかし、女子児童のなりたい職業トップ10には、毎年「看護師」の名前が挙がります。おそらく、ほんわかとしたイメージの看護師さんが頭を撫でながら笑顔で「大丈夫だよ」と子どもに話しかける様子が思い浮かぶことで、天使のように温かい看護師さんになりたい、と思うのではないかと考えます。
    そんなイメージ通りの看護師であれば、なりたいと思う人が増えて福祉の暗い闇は消えるのかもしれません。
     
    私もそのほんわかとしたイメージから入って、既にリアリティーショックを受けています。
    まず、現実は患者さんのベッドサイドにいられることは少なく、事務的な作業になっている病院も少なくありません。その理由は、看護師の仕事量の多さだと感じます。
    私は看護学部に入る前、看護師の仕事を全然分かっていませんでした。看護の現実は、患者の術前の状況(家族や周りの環境も踏まえて)、既往歴、その既往歴にある病気にかかった時の反応、患者が現在罹患している病気の特徴、術式、手術の合併症、退院後の生活(患者を生活者として捉えて)など、豊富な知識がないと務まりません。
    薬剤師や医師の勉強をしたことがないので簡単には言えませんが、看護師は考えなければならないことが多岐に渡るため、医療従事者の中で一番忙しいのではないかと思う時さえあります。
    看護を深く知れば知るほど、小学生の時にイメージしていた仕事とは違うことが分かります。看護の仕事が楽しくてやりがいのある「なりたい仕事No. 1」になるためには、小学生が想像するようなゆとりがあって笑顔で働ける環境を作ることが必要なのだと思いました。例えば、ベッドサイドにいる時間を増やすために看護師の雇用を増やすなどです。
     
    女子大という女子だけの環境特有なのかもしれませんが、大学生になってから友達同士で恥ずかしがらずに自分の思っていることや、哲学的な自分の考えを表現することが多くなりました。その時に考えていることが人それぞれ全然違っていたり、自分で自分を分かっている子、そうではない子となど、成長段階も人それぞれであると感じました。異なる家庭や環境で育ってきたので、違うのは当たり前ですよね。私には姉がいますが、同じ家庭で育ってきても全く違う考えや正義を持っています。
     
    時に、人は自分とは違う「普通」を持つ人を嫌い衝突しますが、私はみんな違うのが当たり前で、もし一緒であればそれは「奇跡」だと思えたら、衝突でなく共感を喜べるようになると思います。

  12. 廣瀬 あゆみ

    子どもの夏休みが明けました、廣瀬あゆみです。

    1日中子どもが家にいる生活は、予想以上に大変でした……仕事との両立なんてできたもんじゃないなと思いました(笑)
    でも、こうして1日を一緒に過ごすこともこれからどんどん減っていくと思うので、この大変さすらもきっといい思い出になるんだろうなと思っています。
     
    みなさんの投稿を見ながら、いろいろ考えることができました。貴重な機会をありがとうございました。
     
    コンフォートゾーンを出た経験、たくさん教えていただきありがとうございます。留学などの価値観がガラッと変わる経験から行ったことのない場所への旅行や合宿などのスポット体験まで、大小に関わらず、日常の居心地のいい空間から一度出てみるということは、気づきや学びがありますね。大人になるにつれて、自分の道を自分で決める機会は圧倒的に多くなります。
    そのときに臆せず、ワクワクする方や自分が成長できそうな方を選べる心が身についていると、きっと人生が豊かになると思っています。今回ご一緒させてもらった皆さんは、そんな決断を沢山されている方々だなと、尊敬の気持ちでいっぱいです。
     
    また、福祉や保育や看護のお仕事について。
    きなこさんの「仕事で辛いこともあると思いますが、それはどの職業でも同じ」が真理だと思います。日頃から充実感を感じられる仕事の方が少ないかもしれませんね。アスリートでいう、トレーニングと一緒かな。目指すところにたどり着くために、辛い筋トレもラントレも食事コントロールもする。
    でも、目標を達成したときにこれまでの全てが報われたり、頑張ってきてよかったなと感じたり、いい仕事だなと思えたりする。
     
    ここさんの「看護師さんをやりがいのある仕事No.1にするためには」という着眼点もとてもいいですね。ゆとりがあって笑顔で働ける、大事なことだと思います。
    同じ予算の中で、今より「ゆとり」を作ろうと思うと
    ①人数を増やす
    ②仕事を減らす(やらないことを決める)
    ③生産性を上げる(あらゆる業務のDX化)
    いろいろなことを割愛して超単純化したとしても、このあたりが必要になってきます。
     
    ①をやるなら、病院側が人件費の負担を増やすか、国からの税金の予算を増やすか、1人あたりの給料を減らして人数を増やすか、ですね。
    ②なら、やらないと決めた仕事を誰がやるのかという議論になります。
    ③は、病院側の努力や現場の医師看護師の「これまでのやり方を変える」という努力があれば叶うかもしれません。
     
    もっと考えると、①の「病院や国が予算を増やす」となった場合には、他の予算を削らなければならなかったり、もしくは国民からもっとたくさん税金を徴収しなければならないといったところに影響しますね。
     
    こうしたいな!こうなったらいいな!が、社会に出て行くにつれてきっと「できる方法を考える」という段階に変わっていきます。考えれば考えるほど複雑な事情が絡み合っていたり、困っていることや課題があるのはそこだけではないということに気づくでしょう。
     その複雑な要素を前にして、多くの人は諦めます。
     
    簡単にはいかないことでも、全員が諦めてしまっては未来が良くなっていかないので、バイタリティのある人たちで、未来ある若者たちが希望を持てるような仕組み制度を作っていけるといいですね。
    (バイタリティのある人=自分の幸せだけでなく、世の中の幸せのために使命感をもって変革者になれる人)
     
    長くなりましたが、私はどちらかと言えば「歴史は史料でよくて、意見は若い人を尊重したい」と思っています。
    今回みなさんから聞いたお話や考え、価値観などを、福祉や保育で働く人たちの未来の価値に変えていけるよう、参考にさせていただきます!
     
    今回は貴重な機会をありがとうございました。

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