子ども発達学科:「保育者になる前に」~附属こども園長から学び保育の心構え~

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11月25日(火)、教育学部の教職実践演習(担当:清葉子准教授)で、椙山女学園大学附属こども園の小林豊子園長を講師に迎え、「保育者になる前に」と題した特別授業を開催しました。本授業は、来春卒業を控え、保育者として新たな環境に踏み出す4年生が抱える不安を少しでも軽減し、前向きな気持ちで現場に入っていけるようにという思いを込めて企画されたものです。
 
授業では、新人の保育者が感じやすい不安の例が紹介されました。例えば、「上司や先輩に同じことを繰り返し指摘され、自分だけ叱られているように思ってしまう」「忙しさのあまり楽しさを見いだせず、楽しそうに働く先輩と比べて落ち込んでしまう」「自信がなく、常に先輩の視線が気になってしまう」など、学生たちが近い将来感じるかもしれない気持ちが、具体的に語られました。
こうした不安に対し、小林園長は「園はチームで働く場所であり、一人で抱え込まないことが大切」と強調しました。思い悩んだときに相談する、わからないことは遠慮せず聞く、ミスは隠さず伝える。これらは決して特別なことではありませんが、安心して働くための大切な一歩であると学生たちに伝えました。また、挨拶や返事を丁寧に行うこと、頼まれた仕事を丁寧かつ確実に進める姿勢など、チームで働くうえで欠かせない基本の大切さについても、現場経験に基づいた具体例とともに説明。
さらに、自分に対して園児たちに興味を持ってもらうための工夫として、手遊びのレパートリーを増やすことや、年齢に応じた絵本を知っておくこと、園児はもちろん保護者の顔を覚えることの重要性などが紹介されました。日々の積み重ねによって子どもや保護者との関わりがより豊かになることを、学生たちは実感した様子でした。
授業の最後には、さまざまな保育者の姿を見て、自分がどんな保育者になりたいかを考えることの大切さが語られました。保育の技術、保護者対応、職員間の連携の仕方、報告・連絡・相談の進め方など、自分が成長する機会は多くあります。それらを観察し、良い部分を積極的に取り入れていくことが、自分らしい保育者像につながるとエールが送られました。
 
授業を受けた学生からは「不安を抱えているのは自分だけではないと知って安心した」「社会に出る前に心の準備ができた」といった声が聞かれ、将来に向けて前向きな気持ちが生まれた様子でした。今回の特別授業は、これから保育の現場に向かう学生にとって、大きな励みとなる貴重な時間となりました。