情報デザイン学科・文化情報学科:HAIシンポジウム2025でAIの“笑顔”研究が優秀ポスター発表賞を受賞!

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記事の3つのポイント!

・AIキャラクタの「笑顔」の微細な変化を分析する研究で受賞
・99件のポスター発表の中から選出
・今回の成果がAIと人のより自然なコミュニケーションに貢献
 
2月28日(金)・3月1日(土)に近畿大学で開催されたHAIシンポジウム2025において、文化情報学科の早川凜さん(指導教員:早瀬光浩准教授)がImpressive Poster Award(優秀ポスター発表賞)を受賞しました。
早瀬光浩准教授(左) 早川凜さん(右)
HAIシンポジウムは、人とAIの関わり方をテーマに、最新の研究成果を発表する学会です。今回のImpressive Poster Awardは、99件のポスター発表の中から、以下のいずれかの点で優れた研究に対して与えられる賞です。

✓HAI研究に対して大いに刺激を与える内容であること
✓資料を活用して積極的に内容説明が行われること
✓内容が十分に理解できるよう資料が構成されていること

また、参加登録者を含むシンポジウム関係者の投票結果に基づく審査の結果、「印象に残る優れた研究」と評価されたポスター発表に対して贈られます。

「エージェントの笑顔の表情変化が印象に与える影響」

早川さんの受賞研究は、AIキャラクタの「笑顔」に注目し、表情の微細な変化が印象にどのような影響を与えるかを分析したものです。具体的には、リアルなデジタルヒューマンを作れるツール「MetaHuman」で顔の各部分(AU:Action Unit)を調整し、頬や口角・えくぼの動きがユーザの印象に与える影響を評価しました。
 
その結果、
▶頬は動かさず、口角とえくぼを少しだけ強調した笑顔が、最も肯定的な印象を与える
▶頬を大きく動かし、口角とえくぼが動かない笑顔は、最も否定的な印象を与える
といった知見が得られました。今回、こうしたAIキャラクタと人間の関わり方における新たな可能性を提示する内容が高く評価され、早川さんはImpressive Poster Award(優秀ポスター発表賞)を受賞しました。
 
今回の受賞を通じて、AIキャラクタの表情が人間の印象形成に与える影響の大きさが改めて注目されました。今後は、より自然で好ましいコミュニケーションを支援するAIの開発に、この研究結果が活かされることが期待されます。
早川さんの益々のご活躍を楽しみにしています!

早川さんの受賞コメント

研究のきっかけは、“AIキャラクタの笑顔が時々不気味に感じられるのはなぜだろう?”という素朴な疑問でした。慣れないアプリケーションを使いながら何度も改良を重ね、細かな表情の違いを検証する作業は想像以上に大変でしたが、先生のアドバイスのおかげでより高い水準の成果を得ることができました。そして友人や後輩たちの心強い支えがあったからこそ、今回の受賞につながったのではないかと考えています。苦労が報われて本当にうれしいです。今後はさらに研究を深めて、AIキャラクタとのコミュニケーションがより自然になるよう貢献していきたいと思います。
 

指導教員のコメント

早川さんの研究は、わずかな表情の違いが人の印象にどのような影響を与えるかを非常に丁寧に分析しており、HAI分野に新たな視点を提示する貴重な成果となっています。研究も粘り強く進められ、ここまで細やかな検証を実現できたのは、早川さんの根気強さと探究心の賜物です。ポスター発表では多くの方から意見をいただき、今後の研究発展にも大いに役立つと期待しています。今回の成果はHAI分野にとって意義深いもので、学会での反響も大きかったです。これからもさらなる研究の深化を期待しています。