情報デザイン学科・文化情報学科:AIの“声”と“笑顔”を研究!HAIシンポジウム2025で学生が発表

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記事の3つのポイント!

  •  2名の学生が研究成果を学会発表
  • 「声」と「見た目」のベストマッチを探る!
  • 笑顔を徹底解剖!表情のわずかな変化が印象を大きく左右する?
2月28日(金)から3月1日(土)に近畿大学で開催されたHAIシンポジウム2025で、情報デザイン学科 早瀬光浩准教授の研究室に所属する垣見向夏花さんと早川凛さんが研究発表を行いました。

HAIシンポジウムは、人とAIの関わり方をテーマに最新の研究成果が発表される学会です。今回、垣見さんは「声」と「見た目」の関係性について、早川さんはAIキャラクタの「笑顔」が印象に与える影響について、それぞれの研究を報告しました。
 

垣見向夏花さん

「音声と外見がAI受付アシスタントに与える印象」

近年、AIが会社の受付係を務めるケースがあります。では、どんな「声」と「見た目」なら私たちは心地よく利用できるのでしょうか?

垣見さんは、AI受付アシスタントの「声」と「見た目」の最適な組み合わせを探る研究に取り組みました。
実験では、音声合成ソフト「VOICEVOX」と画像生成AI「ImageFX」を使って、多様な声と、リアルな見た目・アニメ風の見た目を持つAI受付キャラクタを作成し、利用者が受ける印象を調査しました。

その結果、「ゆっくりした高めの声」と「リアルな見た目」の組み合わせが好まれる傾向があることがわかりました。また、外見はリアルなキャラクターの方が親しみやすく、フォーマルな場面での信頼性が高いことも示されました。
 
垣見さんの発表の様子

早川凛さん

「エージェントの笑顔の表情変化が印象に与える影響」

AIがもっと人間らしく、自然に私たちへ話しかけてくれたら?

早川さんは、AIキャラクタの「笑顔」に注目し、表情の微細な変化が印象にどのように影響するかを調べました.
リアルなデジタルヒューマンを作れる「MetaHuman」を使い、顔の動きを示す単位「AU(Action Unit)」で「頬の動き」と「口角・えくぼ」の度合いを少しずつ変化させ、印象を評価しました.

その結果、
  • 頬は動かさず、口角とえくぼを少しだけ強調した笑顔が、最も肯定的な印象を与える
  • 頬を大きく動かし、口角とえくぼが動かない笑顔は、最も否定的な印象を与える
ということがわかりました。
早川さんの発表の様子

まとめ

今回の発表は、AIキャラクタの印象形成において声や表情の工夫が重要であることを示しています。わずかな違いが、私たちが感じる親しみや信頼感を大きく左右するのです。
これらの成果は、AIとのより良いコミュニケーションをデザインする手がかりとなり、今後の社会での活用が期待されます。
 

学生のコメント

垣見さん:
実験では作成するものが多く少し時間がかかりましたが、先生から助言をいただき、無事に研究を終えることができました。初めての学会発表で緊張しましたが、貴重な体験をさせていただき、一生の思い出になりました。
今回の研究発表を通して、AIと人の関わり方について深く考えることができました。今後はこの経験を活かして、より良いAI社会の実現に貢献していきたいです

早川さん:
今回初めて行った実験では、思い通りに進まないことも多くありましたが、先生や友人に助言をいただきながら何度も修正を重ね、自分で納得できる研究ができたと思います。結果が出るまで粘り強く向き合ったこの時間は、大学生活の中でも特に濃く、忘れられない思い出になりました。
初めての学会発表で緊張しましたが、多くの方に研究内容を聞いていただき、大変貴重な経験になりました。今回の研究をさらに発展させて、AIと人がより自然にコミュニケーションできる未来を目指したいです。
 

指導教員のコメント

垣見さんと早川さんの研究は、どちらもAIと人の関わり方における重要なテーマを扱っており、今後の発展が期待されます。発表では、調査する要素や新しい視点・共同研究の提案など、多くの方々から意見をいただきました。
二人とも4月からは企業で働きます。今回の発表で得た経験を活かし、社会での活躍を期待しています。