国際言語コミュニケーション学科卒業生が「聴覚障害者と聴者とのコミュニケーション不全」を研究。改善に向けて「カフェスタッフマニュアル」を提案しました
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3月21日(木)、国際コミュニケーション学部国際言語コミュニケーション学科(2024年4月から外国語学部に改組)をこの3月に卒業した杉山真菜さんが、卒業論文「聴覚障害者と聴者の大手コーヒーチェーンにおけるコミュニケーション不全の改善に関する一考察と問題解決の提案」を、株式会社アイシンにて発表しました。
杉山さんは大手コーヒーチェーンでアルバイトをするなかで、聴覚障害者とのコミュニケーションに困った経験から、この研究をスタート。聴覚障害者支援をしている株式会社アイシンの協力を得て、聴覚障害者対応のカフェスタッフマニュアルを制作し、その過程で気づいた知見を卒論にまとめました。
マニュアルの制作にあたっては、聴覚障害者向けイベントにおいて、マニュアルを読んだ本学の学生が聴覚障害者への対応をロールプレイ実験として行い、それを客役として体験した聴覚障害者やその状況を見ていた聴覚障害者約50名の意見を反映させて改善する手法を採用。この手法は大学院生や研究者が行う手法であり、学部生が行うことは極めて珍しいことです。
発表当日は、聴覚障害者の方もZoom参加し、音声を文字に変換しながら発表。杉山さんは「今、共生社会の実現が声高々に叫ばれているが、実際にはマイノリティ側が解決していることが多く、マジョリティー側が歩み寄っていないことが多い。このマニュアルをお互いが歩み寄る意識を持つことのきっかけにしていきたい」と想いを語りました。
杉山さんは、今後、言語聴覚士になるための勉強をしながら、このマニュアルの改善・実現化を目指していきます。