文化情報学科・情報デザイン学科:学生が取り組んだ本格AI研究「時代別イケメンの定義」と「生成AIの偏り」を研究会で発表

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このニュースのポイント

・文化情報学科(現:情報デザイン学科)の4年生2名が、第59回東海ファジィ研究会(ヒマ研)でポスター発表を行いました。
・「イケメン像の時代変化の可視化」と「誘導プロンプトによるAIの偏り検証」という、いずれも生成AIを活用した独自のテーマで注目を集めました

・4年間の学びを通じて本格的な研究に挑戦し、学会の舞台で成果を発信できるまでに成長できる環境が整っています

 
2月24日(火)・25日(水)、愛知県知多郡の日間賀島(日間賀区民会館・日間賀島公民館)にて、第59回東海ファジィ研究会(通称:ヒマ研)が開催されました。

東海ファジィ研究会は、AIをはじめとするソフトコンピューティング技術とその応用をテーマに、教員と学生が活発に議論を交わす研究交流の場です。

今回、文化情報学科(現:情報デザイン学科)の早瀬光浩准教授の研究室の4年生 天野優愛さんと原舞帆さんが、それぞれ異なるセッションでポスター発表を行いました。どちらの研究も生成AIを軸に据えた独自のテーマで、多くの参加者から関心と質問を集めました。
 

天野優愛さん:「イケメン」は時代で変わるのか? —自然言語処理と生成AIによる人物像の可視化—

天野さんは、社会が理想とする男性像は時代によってどのように変化してきたのかをテーマに発表。
1970年代から2020年代までのランキングデータを自然言語処理で分析し、生成AIを用いて各年代の「イケメン像」を画像として可視化しました。その結果、『堅実でたくましい1970年代』『華やかなバブル期』『中性的な2000年代』を経て、『透明感のある柔らかな印象の2020年代』へと移り変わってきた様子が明らかになり、理想の男性像が時代とともに変化してきたことが示されました。

発表では、1980年代・1990年代に活躍した俳優を例に挙げながら活発な議論が交わされるなど、各年代の「イケメン像」をめぐって世代を超えた盛り上がりを見せました。
 

天野さんのコメント

『イケメン』という身近な言葉を研究テーマにしたことで、データ分析や画像生成AIの面白さを実感しながら研究を進めることができました。初めての学会発表で緊張しましたが、当日は予想以上に多くの方からご質問をいただき、自分の研究が社会的な関心につながっていることを実感することができて嬉しかったです。また、自分とは異なる視点を持つ方々との交流は非常に楽しく、学生生活の中で大変貴重な経験となりました。この経験を糧に、これからも探究し続けていきたいと思います。 

原舞帆さん:誘導プロンプトは大規模言語モデル(LLM)をどこまで偏らせるか?

原さんは、ユーザの言い回しによってAIの回答はどの程度影響を受けるのかをテーマに発表。
認知バイアスを想定した「誘導プロンプト」を設計し、「性差」や「外国人差別」といったセンシティブなテーマについて、中立的なプロンプトとの比較実験を行いました。

複数の大規模言語モデル(LLM)を対象に一般成人約50名による第三者評価を実施し、多角性や中立性を分析。

その結果、誘導プロンプト下では回答の多角性・中立性が低下する傾向が確認されました。さらに、小規模モデルが大規模モデルよりも高い誘導耐性を示すケースもあり、「大きいモデルほど安全」とは言い切れないことが示されました。

発表では多くの質問が寄せられ、複数のモデルと認知バイアスを組み合わせた実験設計に対しては、「よくここまでやり遂げた」とその労力と丁寧さを評価する声も上がりました。
 

原さんのコメント

生成AIが日常に浸透するなかで、ユーザの言葉がAIの回答にどう影響するのかを明らかにしたいと思い、この研究に取り組みました。実験を通じて、AIの応答は思った以上にプロンプトの影響を受けることがわかり、改めてAIとの向き合い方を考えるきっかけになりました。学会では多くの方から、自分ではもてなかった視点からの鋭いご意見をいただき、今後の研究のビジョンを明確化することができました。 

指導教員 早瀬光浩准教授のコメント

天野さんと原さんの研究は、どちらも生成AIという今日的な技術を独自の視点で切り込んだ意欲的な取り組みです。『イケメン像の可視化』も『誘導プロンプトによるAIの偏り』も、一見すると身近なテーマでありながら、データと実験によって社会的に重要な問いを丁寧に検証しました。学会では多くの参加者から鋭い質問や温かい励ましをいただき、学生たちにとって大きな自信になったと思います。4月からそれぞれの道に進む2人が、この経験を糧に社会で活躍してくれることを期待しています。