文化情報学科・情報デザイン学科:早瀬研究室 卒業研究発表会を開催

ニュース

文化情報学科(2024年度から情報社会学部に改組)の早瀬光浩准教授の研究室が、1月23日(木)に2024年度の卒業研究発表会を開催しました。会場となった情報社会学部棟501教室では、10名の4年生が約2時間半にわたり、日頃の研究成果を発表しました。
 
早瀬研究室では、コンピュータビジョン(CV)や人工知能(AI)、インタラクションの研究をメインに行っており、特に「人との関わり」に重点を置いています。今回の発表では、料理やファッション、広告、カウンセリングなど、私たちの生活に密接に関連する課題に対して、最新のテクノロジーを活用した解決方法が提案されました。
 
発表された研究の中で特に注目を集めたのは、人工知能キャラクター(エージェント)の表情変化が人々にどのように受け止められるかを科学的に分析した研究です。この研究は、より自然なコミュニケーションの実現に向けた新たな知見を提供しています。また、AIによるテキスト解析を用いて文学作品の人気要因を探る研究や、AIカウンセラーのための顔表情と感情推定モデルを検討した研究も、人とAIの新しい関係性を探る意欲的な取り組みとして高い評価を得ました。
 
他にも、リメイクレシピの提案を目指し料理画像の認識技術開発や、AIを活用したパーソナルカラー診断システムの開発など、一人ひとりに合わせた(パーソナライズされた)サービスの実現を目指す研究が発表されました。

卒業研究発表会の様子

発表者の振り返り

発表を行った学生からは、研究への真摯な取り組みが伺える振り返りが寄せられました。「検証実験を諦めずに100回以上実施した」と粘り強い研究姿勢を示した学生や、「有意差や標準偏差値など細かい所までやれてちゃんとした卒業研究が出来た」と統計的分析に注力した学生など、それぞれが充実した研究活動を報告しました。

聴講学生からの感想

聴講した学生からは「いろいろな人にたくさんの質問ができ、また、的確な回答をしていただけた」との感想や、「実験方法や検定方法を使って結果を出していたんだな」と研究手法への理解を深めた様子が報告されました。

教員からの講評

聴講された学科の教員からは、研究内容と発表について多くの評価が寄せられました。ある教員からは「近年注目される技術を積極的に活用しており、他の工学系の学部・学科に引けを取らない研究水準だった」との評価があり、特にブランド提示、感情推定、「不気味の谷」の新解釈など、独創的な研究アプローチが高く評価されました。
 
また、「質疑応答での対応の確かさ」を評価し、研究に対する深い理解と真摯な取り組みの姿勢を高く評価されていました。他には「プレゼンテーションが分かりやすく、研究に対する試行錯誤の過程が十分に伝わってきた」との評価がありました。

情報デザイン学科では、最新のテクノロジーを活用しながら、私たちの暮らしをより豊かにする研究に取り組んでいます。高度な技術力と共に、人々の生活に寄り添う視点を持った人材の育成を目指しています。
 
本学科の研究や教育活動について、詳しい情報は情報デザイン学科のWebサイトをご覧ください。