教育理念
人間になろう
初代学園長・理事長 椙山正弌
(すぎやま・まさかず/1879~1964)
古人の歌に/人となれ人 人となせ人/というのがある。
人間完成、これこそ学園創設の精神であり、
学校教育終局の目標である。諸君よ、人間になろう。
(1962年「人間橋由来記」人間橋畔の碑文より)
「人づくり」への礎石
「私は道を拓き、敷地を拡げ、校舎を建てることに専念してこと足れるかに見えるならばそれは私の心ではない、それ等はあくまで手段であり、その目的はいうまでもなく育英事業である。そして教育とは知識技能の啓発ばかりでなく、それもやがては人間完成を終局の目標としたものでなければならない、そのための環境整備であり、他面また人を導くためには先ずもって自らを磨かなければならない。」初代学園長椙山正弌は、学園経営の形のうえでは、その場づくり、環境の整備も必要であると考えていましたが、それは常に育英事業、つまり「人づくり」を念頭に置いたものでした。また、大学が星が丘キャンパスに移転した際、南北の丘に橋を架け、「多くの学校に銀杏並木や桜のトンネル、橋がある。そこを渡ったり、くぐったりしている間に学生は自然と識らず識らずに人間ができあがるのだと思う」と語り、その橋を「人間橋」と名付け、人づくりへの熱い思いを込めました。
教育理念「人間になろう」とは
椙山女学園は、「人間になろう」を教育理念とし、「ひとを大切にできる人間」「ひとと支えあえる人間」「自らがんばれる人間」の3つを「人間になる」ことであると考え、一貫した人間教育を進めてきました。私たちは教育を通じて、世界中の人々が人間性を回復し豊かさを享受できるよう、人間性を尊重しヒューマニズムの精神を創造できる人間を育成し、また、人と人との「絆」を重視し、互いのつながり、つまり人類の協調・連帯を大事にする人間になることをめざしています。そして、こうした「人間」になるために、自ら考え学ぶことにより、“なろう”とする決意を表明し実践できる自主性・主体性を育んでいます。橋のたもとに書かれた初代学園長直筆の「人間橋」の文字は、教育理念の原点を示しているとともに、今日の私たちが未来に向かって歩むべき「人づくり」の象徴でもあります。