自分を知り、相手を知る。「共生」から考える多様な価値観との向き合い方

全てを理解し合うことが難しい人と人の関わり合いの中で、互いが心地よく、共に生きていくためにはどうしたら良いのだろう。 めまぐるしく変化する昨今の社会において価値観の違いは一層表面化し、様々な課題が浮き彫りとなっています。 ここでは、世代の異なる3名が各々の経験から育まれた視点を通して、私たちが今後目指す「共生」とはどのようなものかについて言葉を交わしました。

この交換ノートのグループ

神薗 麻智子

渋谷区議会議員

「渋谷で子どもも大人も育ちあうまちをつくりたい!」と思い、令和元年に渋谷区議会議員に立候補し、現在2期目。それまではベネッセで学校支援や新規事業立ち上げなどを行っていた。子どもテーブルみんなの食卓、一般社団法人We are Buddies理事、新渡戸文化学園フューチャーパートナー、子育て世帯向けのイベント渋谷papamamaマルシェ、渋谷をつなげる30人、拡張家族Ciftのメンバーなどの活動している。小学生の母でもある。

A

人間関係学部 人間関係学科 4年

いちご

生活科学部 管理栄養学科 3年

  1. A

    こんにちは!人間関係学部人間関係学科(※)4年のAです!
    (※)2024年4月から人間関係学科は、人間共生学科へ生まれ変わります。

    勉強していることは、性の多様性や生命倫理についてです。卒業論文のテーマは「日本は同性カップルが子どもを持つ権利を剥奪している」というもので、日々研究しています。

    本を読むことが好きで、勉強しているテーマが専門の先生に紹介してもらった小説をよく読んでいます。おすすめは、李琴美さんの『生を祝う』です!「合意出生制度」というものを題材にしたとても読みやすい内容で、子どもを授かったときに子どもに「生まれたい」か「生まれたくない」かを聞ける技術が発達した世界の話です。生まれたいという意思を確認してからでないと産めない世界。
    この本は、授業の議論で、「生まれてきたくなかった」という考えを持つ学生が、私の想像よりも多くいたことに驚いたときに、先生が紹介してくれました。

    私の卒論では、「親を必要としてる子どもと親になりたい大人の矛盾」が重要な課題になるので、こういったニュースや題材にした本などは気にして見るようにしています。最近では、愛知県が県レベルでは初の「ファミリーシップ制度」を導入すると発表したことに関心を持っています。

    本は圧倒的に紙派で、必ず新品できれば初版!という謎のこだわりがあり、必死にバイトをして買っています(笑)

    最近は、毎週「推しの子」を楽しみにしています。『推しの子』は芸能界の触れてこなかったタブーに触れた作品ですが、コミカルな表現が面白いです。アニメを見てダンスをしている人や、主題歌も流行っていて。最近は芸能界のタブーに踏み込むニュースが多いなかで、時代を捉えた作品として楽しんで見ています。

    漫画を大人買いするかも迷っています!皆さんは今どのような本やアニメにはまっていますか?

  2. いちご

    おはようございます!初めまして!
    生活科学部 管理栄養学科 3年のいちごです。よろしくお願いします!

    最近は、糖尿病や腎臓病に対応した献立の立て方や栄養カウンセリングの技法を学んだり、調理実習では育児用ミルクの試飲や幼児向けのお菓子を考えて作ったりしています。
    また、臨地実習が徐々に始まり、課題に追われてあたふたする毎日です。

    「性の多様性」というワードで頭の中に思い浮かんだことがあります。家族から職場での出来事を聞く中で、いろいろな障害に興味を持つようになり、以前、性同一性障害、ADHD、解離性同一性障害を持った方の動画をYouTubeで見たことを思い出しました。解離性同一性障害のことがメインとなっていますが、動画の後半ではトランスジェンダーのお話もされています。私としては性同一性障害だからといって見方が変わることはなく、そういう点で驚きはありません。YouTubeに出ていた方は「他人格は自分の中にいる味方だと思っている」「うまく共存してくことも大事なのではないか」と話されていていいなと思いました。
    YouTubeで『13人の人格と暮らす男性に1日密着してみた』と検索すると出てきます。お時間があったらぜひ見ていただきたいです。解離性同一性障害を知ることができたのと同時に、同性婚や性適合手術について深く考えるきっかけになりました。

    最近はなかなか本を読めていませんが、小説では住野よるさんの作品が好きです。『君の膵臓をたべたい』『よるのばけもの』『また、同じ夢を見ていた』の3つ。物語の世界に引き込まれて、1冊を数時間で読んでしまったこともあります。繰り返し読むと、また違った視点で考えることができて面白いです。

    余談になりますが、カメラが趣味です。東山動植物園のレッサーパンダがかわいいので、ぜひ会いに行ってみてください!

    これからよろしくお願いします!

  3. 神薗 麻智子

    おはようございます。そして、はじめまして。
    このグループでご一緒させてもらう神薗麻智子(かみぞのまちこ)です。
    私はよく「まっちい」と呼ばれるので、ぜひそのように呼んでください。

    今は渋谷区で区議会議員の仕事をしています。地方議員の任期は4年なのですが、この前選挙があって当選したので、2期目5年目がスタートしました。

    なぜ議員になったのかについてはこのプロフィール(https://www.kamizonomachiko.com/history)を見てもらえると嬉しいですが、簡単に言うと「子どもも大人も共に育ち合う共育のまち」を作りたかったから。私の住んでいる渋谷区ならできると思ったし、渋谷でできたら日本や世界に広げていけるなと思ったからです。

    「孤育て」の「孤」を「CO」に変えていきましょうとよく話します。無理やり繋がる必要はないけれど、繋がれるところから繋がっていくことが大事だと思っています。そのためには「〇〇さんのために」じゃなくて、「みんなでともに」が大事。今回も社会人と学生の交換日記ということで、私も2人からいろいろなことを学んで、お互いが与え合える関係になれると嬉しいです。

    その前のキャリアでは、ベネッセで学校を支援する仕事を16年やっていました。この仕事も天職か!?と思うくらい楽しかったです。

    プライベートでは夫と小5の娘の3人家族。今は渋谷区に住んでますが、地元は鹿児島です。高校まで鹿児島で育ち、大学は熊本の県立大学に行っていました。趣味は何?と聞かれると、なかなか困るなぁとずっと思っていましたが(読書や映画、旅なども好きだけど、がっつりやってる訳ではないなぁみたいな)、私は小さい頃から複数の人たちと何か立ち上げて実行するのが好きで、「そうか!プロジェクトをするのが私の趣味か!」と、ある時気づきました。色々なプロジェクトで、大好きだなぁと思える人たちとワクワクできることをするのが楽しいなと思ってます。

    今も、仕事以外で子育てパパママ向けのイベントや、今度は夏に子ども向けのイベントを企画したりしています。子どもや教育関連のテーマが多いですね。


    Aさん、『推しの子』にハマっているんですね!私も娘もかなりハマって読んでいて、アニメも見ています。2人の主人公が、母の過去をたどりながら自分たちの生き方を模索していますが、私は娘が生まれて、まさに0歳から一緒に自分の生きてきた道を振り返り、辿る旅が始まったなぁという感覚を持って毎日過ごしています。


    これからどうぞ、よろしくお願いします。

  4. A

    こんにちは。
    最近暑い日が多くて、梅雨なのに私は早くも夏バテしそうです。毎年のことながら今年の夏を乗り切れるかなと思っています。
    皆さん、体調はいかがですか?

    前回のいちごさんの投稿にあったYouTubeの『13人の人格と暮らす男性に1日密着してみた』という動画を、私も以前大学の友人から紹介されて見たことがありました!興味が似ていると見ているものが被りますね(笑)

    私も住野よるさんの小説が好きです!この作家さんの文章が好きなら、2019年に『流浪の月』で本屋大賞を受賞された凪良ゆうさんの作品もきっと好きなんじゃないかなと感じました!この方の作品には、同性愛を題材にしたものも多くありますので、きっと興味深く読むことができるのではないかなと思いました。

    まっちいさん、ご返事ありがとうございます。
    以前、大学で行われた『女性のこれからの生き方をデザインする、女性のための未来会議』に参加した際、同じくご参加されていたまっちいさんのお話を興味深く感じていましたので、今回ご一緒させていただくことができて光栄です。

    私は高校生の時に、学童保育のアルバイトをしたり、大学生になってから写真館で百日祝いや七五三の衣装着付けの手伝いをしていました。その時に、両親共働きだったり、介護が必要な方がいる家族などを見て、家族の中だけでは負担が大きく、これからを担う子どもをもっと広く「地域社会全体」で育てていくべきだと感じていました。誰かとつながりを持てることはとても大切ですよね。社会的に養護が必要な子どもがたくさんいる中で、子どもを孤立させないように、親密な愛情とつながりが大事だと思います。子どもを育てる制度などについて、もう少し学びたいです。

    私は最近、就職活動を終えて新しいアルバイトを始めました。挑戦したことのないジャンルで、日々悪戦苦闘しています。いらっしゃるお客様は老若男女問わず海外のお客様もいらっしゃって、日本語しか話せない私はいつもあたふたしています。ジェスチャーや知っている数少ない英単語を総動員してお客様の求めているサービスを提供しています。一番苦手な教科だった英語を今更さらながら「もっと勉強しておくんだった」とタラレバしつつも、コミュニケーションをとる中で、笑顔と相手を知ろうとする気持ちがあれば意外と何とかなるのだなと思ったりもしています。

    いちごさんの撮られた写真がとても素敵です。久しぶりに動物園に行きたくなりました。

  5. いちご

    こんばんは!
    最近はジメジメしていますね……
    これからどんどん暑くなっていくと思いますが、8月にひまわり畑の写真を撮りにいく予定なので体力をつけなければと思っています。

    さて、何を書けば良いのだろうと迷いましたが、就活ガイダンスやらインターンやら将来のお仕事やら、周りの人たちとの会話がその話題なので、今日はそれをテーマにします!

    2年生の終わりから就活ガイダンスが始まり、周りの人もインターンに行かなきゃ!と言っていて、私も行ったほうがいいのかなぁと、数社エントリーしている状況です。私は何の仕事が向いているんだろう、やりたいことは何だろう、2年後は何をやっているのかな?というのがここ最近の悩みですが、言えることはいくつかあるなと思います。

    お給料をたくさんもらいたいのではなくて、自分がやりたい、楽しいと思う仕事をしたい。人とつながり、誰かに笑顔を届けられる人でありたい。ありがとうと言われることがなによりも幸せで、やりがいにつながる。ということです。

    これはこども食堂でボランティアする中で気づきました。始めてからもうすぐ丸2年となりますが、ここまでボランティアを続けたいと思ったのは、子ども食堂に来てくれる方が「ありがとう」と言ってくれるからだと思います。「お姉ちゃんがいるって聞いたから今日来た!」と子どもに言ってもらえる、自分が何かをすることで誰かに喜んでもらえる、これ以上に嬉しいことはないなぁと感じています。こういうものが私の軸になる気がしています。インターンなどを通して「これだ!」と思える仕事を見つけていきたいです。

    また、ボランティアをする中で地域のコミュニティ作りなどにも興味があり、まっちいさんのプロフィールを拝見して、「孤育て」という言葉がとても印象に残りました。いろいろなお話を聞かせていただけたら嬉しいです。


    最後に話題が逸れますが、私も英語が苦手です。高校2年生のときに「オリンピックのことを学ぼう」というイベントでフランスに行ったことがありますが、周りの人と会話ができず心が折れそうでした。でも、ジェスチャーと知っている単語を使ってとにかく話しかけ続けて、周りの人にもたくさん助けてもらって、なんとか終えることができました!ルームメイトとも仲良くなれて、今では忘れられない思い出です。未知の世界に突き進むのは勇気がいりますが、「挑戦するのは悪いことじゃない!」とその時に思いました。

  6. 神薗 麻智子

    こんにちは、まちこです。今週もスタートしましたね!

    私も語学については、生きていく中で心残りになっていて、最近一念発起してまたチャレンジしたいなと始動しています。日本語以外の言語を習得することで、世界がもっと多様でもっとカラフルになるだろうなと思うので、年齢のことは気にせずチャレンジしたいなぁと思ってます。年齢とかキャリアとか関係なく、いつでもどこからでも人生チャレンジできる、そんな時代に生まれてよかったなと感じています。オンラインが進んだのも大きいよね。

    Aさんの投稿にある「子どもを育てる制度」についてですが、現状では施設で過ごす子どもが現状多い状況です。家族のなかで育つ社会的養護の子どもは少なく、一言でいうと施設のほうが法律的な部分での手続きが少ないからというのも理由にあると思います。東京では里親登録は多いものの、里親になりたい人と子どものマッチングがうまくいかず、半分もいかない状況です。他にも愛着障害や、社会的養護のもとにいる子どもは体調を崩しやすかったり、何らかの特性が強く出やすいことも聞いています。特別養子縁組や養育里親を増やしていくために、制度手続きの煩雑さを大人がどう乗り越えていくかが1つの課題だと感じています。


    Aさんは就活を終えて、いちごさんはこれからスタートということで、お二人に共通しているのかな?と思い、私の就活のエピソードと、今だからこそ思うことを書いてみたいと思います。

    もうかれこれ20年以上前の出来事なので社会状況も変化していますが、私の時は「超氷河期」と言われる、企業採用が少ないそんな時代でした。一番大切にしていたのは、「私自身を知ること」でした。自己分析ですね。これを徹底的にやったことが、実は今もとても活きていて、度々やってくる人生の転機や分岐点で必ず役に立ちます。働いて今ちょうど21年たつのですが、改めて「私自身を知っていること」が私の強みだなと思います。そして、そこが社会で活動するモチベーションの源泉になっているなと思っています。

    私は、親が2人とも教員という家庭に生まれ、「先生になるか?ならないか?」という選択肢からスタートしました。また、「なんで教育分野なの?」というところも、ひっかかりのポイントになりました。色々と分析をする中で、当時の私は環境問題に興味を持って活動していたこともあり、いかに環境問題が大きく、1人の活動や力では動かせない問題であるかということに直面していました。その時に、1人の人が100%頑張る世界ではなく、100人の人が1%ずつでも頑張ることで世の中を変えていけるような、そんな社会にしたいと思いました。

    そしてたどり着いたのが「教育」。「教育は、子どもたち一人ひとりに課題意識の種をプレゼントできる分野である」と気付いた瞬間でした。そして、学校の先生という立場もありましたが、「一人ひとりの子どもに深く関わるというよりも、たくさんの子どもたちに種を届けられるような立場で働けたら」と思いました。そういった軸で企業探しをしていたところ、出会ったのが「ベネッセコーポーレーション」でした。

    ベネッセの学校支援事業は、全国5000校ある高等学校の4500校の学校にサービスを届けていて、私がたくさんの子どもたちに種を届けたい、と思っていることをまさに実現できそうだと感じました。もちろん、第一希望の学校教育支援の部署以外でも個別学習支援など色々な分野があり、人の「よく生きる」を支援し、それを事業にしてビジネスとしてチャレンジしている会社でした。私は、この人の「よく生きる」を支援するという、(「Benesse」はラテン語のbene〔良い、正しい〕とesse〔生きる〕という意味がある)会社と就職活動を通じて出会って(DMの漫画とかでは知っていたけど、ちゃんと出会った感じ)、まさに身体に雷が落ちたような、そんな瞬間がありました。この会社で志事(しごと)をしたい!と強く思いました。まさに恋する乙女です。

    そこから、ベネッセに入るために全てのスケジュールを組み、作戦を考えました。インターンシップや先輩の面接なども受けて、企業のエントリーを40社ほどしたけれど、全てはベネッセに入るため。もし入れなかったらベネッセのグループ会社に入ろうと思い、そのあたりも受けていました。結果的に、相思相愛になって採用をもらうことができ、今思っても「天職」と言ってよいほどベネッセという会社の水が私には合っていて大好きな会社ですし、志事と思える仕事をたくさんさせてもらいました。

    今はベネッセを卒業して議員という仕事をしていますが、私が今やるべきだと思うことがベネッセにいて実現できるならば、辞めていなかったと思います。そんな会社に出会えた私は、本当に幸運だったと思います。今は転職して、議員をしたり、社会情勢が変わったりして変化した意識があります。それは、恋する相手は複数いてもいいのかな、ということ。昔は1人の相手と一生添い遂げるという人事モデルでしたが、今は転職は当たり前になり、会社に軸足を置きながら、副業で個人事業主として活動することもできるようになっています。働き方がもっと自由で、もっとワクワクできるような、そんな時代に突入しています。だからこそ、やっぱり大事なのは「私自身を知っていること」だと思っています。

    私自身は毎日変化していくので、定期的に自分を振り返る機会も大事だなと思います。
    そんなことを、今日はお伝えさせてください。

  7. A

    こんにちは。7月に入ってしまいました。2023年の半分が終わったことが怖くてたまりません。

    いちごさん、ひまわり畑いいですね!私もいつか、ひまわり畑に行きたいなと思っています。
    まちこさんの「恋をするような、就活をした」という題名がとっても素敵です!前に映画館で見た『花束みたいな恋をした』を思い出しました。

    いちごさんはこれから就活が始まるんですね。椙山ではもうガイダンスが始まっていて、焦り始める頃ですよね。自分のペースで、譲れない「誰かに笑顔を届けられる」を軸にして頑張ってください。

    私は「何者か」になりたくて、やりたいことばかりで決めきれませんでした。でも、反対にやりたくないことははっきりしていました。やりたくないことは続かないと思います。なぜなら、それはやりたくないことだから。大切なことなので2回言いました(笑)やりたくないものを知るためにも、まちこさんもおっしゃっていたように自己分析はしっかりするといいと思います。私は人間関係学部で、自信をもって人間として成長することができたと思います。性の多様性を学んでいると、頭が柔軟になって、どんなことにも多角的な見方ができるようになりました。これから企業を見ていく中で、まだまだ社会は男女平等ではないなと感じる場面があるかもしれません。一方で、誰もが平等に活躍できる場も多くあることを知ることができます。
    いちごさんが運命的な仕事と出会えることを願っています!
    夢を追い求める勇気があれば、すべての夢はかなう!
    これは、ウォルト・ディズニーの有名な名言ですが、私が尊敬している人もこの言葉が好きでよく言っています。努力できることも才能、勇気を出して何かをすることも才能だと私は思います。


    大学で以前、ドイツ映画の『飛ぶ教室』という作品を見ました。映画の冒頭で「どうして大人は自分の若いときのことをすっかり忘れてしまうのだろうか。子どもだって悲しくて不幸になることがあるのに」というセリフがあります。私は小さい頃から「辛い時こそ笑顔」でした。すると、先生や大人たちから、「いいね、いつも楽しそうで、悩みなんてないんでしょ?」と言われてきました。子どもの成長には、子どもの頃に関わった人が大きく影響すると思います。ジェンダーについての意識もそうだと思います。ランドセル、私は水色が良かったです。しかし、家族からの反対で赤系の色になりました。親戚で集まると父や祖父はずっと座っていて、母や祖母が動き回ります。それを見て育ってきたため、大学の授業を受けてたくさん考えることがありました。

    「あたりまえ」が違う他者がいると知っていること、知ろうとしていることが必要であると思います。相手と自分や自分の周りが違うだけで、相手を排除しようとする考えが多くありますよね。小学生の頃、何かを決める時はよく多数決を使っていました。しかし、それでは少数派の人の意見や考えは反映されず、その少数派の意見は間違ったもので、みんなが選んだものが正しいという考えが植え付けられてしまう感じがします。私は自分に持っていない尊敬できる何かを持っている人を好きになります。その人と話すことで自分の知らない世界を知ることができる。全然興味のなかった分野について知ることができる。そういった楽しみ方や人を好きになる理由が、人間にはあると思います。みんな同じではむしろつまらないし、惹かれ合わないのではないかと思います。自分とは違う何かを持っているから、興味を持つし、素敵だと感じます。                             

    「相手のことを知りたい」と興味を持つことが、「共生」するための第一歩ではないでしょうか。私が人間関係学科に進学した理由も、高校生の時に私の知識不足から部活の後輩を性別のことで傷つけてしまい、「知らなくてはならない」と思ったことが関係しています。人は生まれた直後から他人とは違う存在で、尊重されるべきであり、自分以外の他者も同じです。それぞれの個が持つ得意不得意、ハンデの有無などさまざまです。一人ひとりが持っている個性をお互いに知ることこそ面白く、違いをすぐに否定をするのではなく「なぜ違うのか?」という部分に着目し「相手を知る」行動をとることで関係性が深まり「共に生きる」ことにつながるのではないかと思います。

  8. いちご

    こんにちは!あっという間にもう7月。
    毎日暑くて、アイスクリームを食べたり、ジュースを飲んだりするたびに幸せを感じる季節です。

    まっちいさん、Aさん、就活や転職、インターンの話などありがとうございます!

    まっちいさん。
    題名を見て、惹き込まれるように交換ノートを読ませていただきました。「私自身を知ること」の自己分析、まだしっかり取り組めていなかったので、これから取り組みたいと思います!「まさに身体に雷が落ちたような」という言葉がありましたが、私自身も高校や大学に進学する際、身体に電気が走り、直感で「ここだ!」と感じたところに決めてきました。就職活動でも「ここだ!」と思える会社に出逢えたらいいなと思っています。

    Aさん。
    「夢を追い求める勇気があれば、すべての夢はかなう」、とても心に残りました。私は今まで「やりたいことは何だろう?」とばかり考えていましたが、反対に「やりたくないことは何だろう?」という視点からも考えてみたいと思います!また、昨日初めてインターンに行ってきました!こんな世界なんだとギャップを感じることが多々ありました。実際に見てみないと分からないものですね!夏休みにあと2社、インターン参加予定なので、いろいろなことを感じることができたらと思っています。

    さて、Aさんも書いている「共生」について。
    結論から言うと、「困っている人がいたら助ける、お互いさま」ということかなと思っています。人それぞれ考え方、生き方、大切にしているものは違いますし、譲れないものだってあるでしょう。また、人それぞれ得意なことや苦手なこともあるかと思います。言い換えれば、みんな違った形をしたデコボコのパズルのピースを持っており、だからこそ困ったときは、協力して他の人とパズルのピースを組み合わせて乗り越えることができたら良いと思うのです。それが純粋にできたらいいのですが、常に、当たり前にやることは難しいのかなと。だからこそ、柔軟さが大切ではないかと思います。この人としかパズルのピースをくっつけられない、と限定するのではなく、時にはパズルのピースを優しく柔らかくしてくっつける。それができたら、人に寄り添い、さまざまな考え方や生き方を受容できる人になるのではないか、「みんなちがってみんないい」の世界になるのではないかと思います。

    自分一人の行動は本当に小さなことかもしれません。ですが、小さな世界からでもパズルが徐々に組み合わさって、いろいろな人とつながって……その小さな積み重ねが「共生」につながればいいなと感じます。具体的なエピソードを出すのが難しいですが、私自身、小さい頃から困ったときにはまわりの方に助けてもらってきました。高校や大学生活の中で悩み苦しみ立ち止まってしまったときも、家族、友達、部活の仲間、先生方、ボランティアで出逢った方々など、いろいろな方が寄り添ってくれました。私はそれに救われ、導いてもらったからこそ、今の自分があるのだと思っています。自分自身も、困っている人がいたらパズルのピースを優しく柔らかくし、誰かに寄り添うことのできる人でありたいです。

    この交換ノートで皆さんの考え方や生き方を知ることができ、自分にとってとても刺激的な日々でした。

  9. 神薗 麻智子

    「共生」について書いてみます。
    共に生きるということは、なかなか難しいことなんだなぁと、日々感じます。いちごさんが書いてくれたように、「みんなちがって、みんないい」と思えたら素敵だし、お互いの凸凹をパズルのピースみたいに合わせられたら、と思います。

    でも、なかなか難しいんだなぁと強く感じたのが、コロナ禍でした。ひとつの事実に対してここまで意見が分かれるんだということを、すごく実感しました。こういった経験ができたこと自体は貴重だったと、今は思っています。

    例えば、オリンピック・パラリンピックの開催に関して、中止にすべきだ!という人もいれば、縮小してでもやるべきだ!という人がいました。渋谷区は会場が近かったことや、5年前からパラリンピックの競技観戦を通して子どもたちにインクルーシブな教育を進めるための授業などを行ってきたこともあり、「パラリンピックの競技を子どもたちが任意で見られる」という判断をしました。多くの自治体では、こうした状況の中で、子どもや先生を競技会場に行かせるなんて、とんでもない!ということで行かない判断をしました。しかし、渋谷区はせっかく招待されている権利を自治体が勝手に奪うなんてとんでもない。行きたい人は行けるようにしよう、という判断をしたのです。その判断に、保護者や子どもたちの意見も分かれました。賛否もありました。コロナがなければみんな喜んで応援に行っていただろうにと思うと、環境によってこうも人の判断は変わるのだということを知りました。

    ▽その時、書いたブログ▽
    note.com/machikokamizono/n/ndb174e7214e3

    そして、分断も生まれるのだと。特にSNSでの誹謗中傷は悲しくなりました。Yesと答えた人をNoという人が批判し、Noと答えた人をYesと答えた人が批判する。なぜ、それぞれの選んだ結果を尊重しないんだろうと。でも救われたのは、私の周りでは「まあそういう考えあるよね」といって、自分と違う考えでも、そういうこともあるよねと受容する人たちが多かったということ。自分自身にちゃんと軸があって、多面的に物事を捉えられる人ほど、「まぁそういう考えもあるよね」と受容されているように感じました。自分に自信がない人ほど、自分の決定と違う意見を持つ人に対して攻撃をするのだなと。

    そう感じることが多かったコロナ禍。価値観が違う人同士が「共に生きる」ことは、結構大変なんだなと感じていました。でも、お互いの軸がきちんとあって、物事の多面性を知って、まあこういう立場だったらこうだよねというような考えが広がれば、共に生きやすい社会に少しずつ近づくのではないかと思いました。そして、渋谷区が掲げている「ちがいを力に変える街、渋谷区」はさらにハードルが上がって、お互いのちがいを認識し合って、それをまさにパズルのピースのように組み合わせて、1枚の絵をつくるようなことができるんだろうと感じています。

    そのためには、やはり自分の軸を持つことと、相手のことを知ること、理解することが大事だなと思いました。そして、お互いのGIVEが循環する、そんな世界をつくれたらいいなと思います。あとは、「共生」は難しいということをちゃんと理解して、取り組めることも大事ですね。先進的にやっているところとしては、豊中市。50年くらい前からフルインクルーシブに取り組み続けています。そんな環境で育つと、大人になってからも、自然に共に生きることができるんだろうなと思います。

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