領域

アパレルメディア領域

アパレルデザイン分野

衣生活環境を整える衣服デザインの構成要因を究明するためには、アパレルデザインと着衣着体である人との関係を物理的・感性的に多方向から検討する必要があります。アパレルデザイン要素である色・柄・形・素材などのイメージ評価と人体の1次元形状から3次元形状との関係から捉え、仮想試着シミュレーションなども利用して総合的に究明したいと思っています。現在は、アパレルデザインにおける人と衣服の融合性に関する研究(・アパレルデザインの感性的イメージ評価に関する研究、・着衣着体を活かすアパレルデザイン効果に関する研究)を行っています。(担当教員:増田 智恵

アパレル設計・制作分野

私たちが着用しているアパレルは、単に布地やデザインだけでは成立しません。制作されて初めて衣服として成立します。さらに、そこには着衣基体としての「人」が存在し、人が着用して初めてアパレルとしての用をなします。着衣基体である人はモノではなく、常に動き、一時として全く同じ状態にはありません。アバレル設計・制作においては、人にとって着やすく、快適で、さらに美しい衣服を作り出すことが究極の目的になります。そこには人と衣服の物理的な動きだけでなく、生理的、心理的な要因なども複維に絡み合っています。この分野はこれらの要因を解明していくことが主な研究内容といえます。最近は、美しい着装のためのゆとり量に関する研究やマルチデバイス対応型アパレル制作コンテンツについて研究しています。(担当教員:石原 久代

アパレル材料システム分野

アパレル材料の本質的な品質や性能には時代や流行、個人の嗜好にとらわれることのない人間の感性に適合した普遍的な品質が存在するであろうことが考えられます。このような視点から、主として婦人服地の品質に関して、人間の感性との関わりから、より人間に好まれる高度な人間の感覚で捉える品質として、風合い、主観的評価の判断基準、着衣基体と衣服の関わり等を明らかにして、具体的な性能設計に生かすような研究を進めてきています。婦人服地の力学的性質、熱水分移動特性からシルエットデザインや品質を客観的に評価しています。(担当教員:井上 尚子

インテリア・プロダクト領域

プロダクトデザイン分野

デザインの歴史とは、材料と加工法の歴史といっても過言ではありません。ここでは新しいデザインの技術開発を目的とした「各種材料と加工法による造形技法・表現技法」を研究テーマとします。最近の研究では、チタン圧延クラッドメタルの熱間処理および陽極酸化法による電解発色、ハーフセレーションブレイドの用途開発、アルミハニカムパネル後アルマイト加工技術を使った用途開発、蓄蛍光素材の用途開発などが、研究テーマとして取り組めます。 「自助具の研究」 脳卒中後遺障害片麻痺者の支援団体と連携で、使用者から直接意見を取り入れた自助具を考案し、制作または委託制作を行います。最近の研究では、片麻痺者のための調理用自助具、片麻痺者のための着衣を助けるための自助具などが、研究テーマとして取り組めます。また、ここでの成果品は自助具フォーラム(全国大会)で口頭発表と作品展示を行います。(担当教員:滝本 成人

環境心理学分野

現在の生活環境は、多様なモノ・空間・都市があり、それに伴い、多様な価値観が存在しています。この多様な価値観が存在する生活環境を考える際には、この生活環境内にいる人間の心理、感性や行動を把握することが重要な要素になってきています。そこで、環境心理学分野では、人間が使用するモノ、活動する空間、交流する都市について、多角的な視点から分析し、人間の感性、心理的特性、および行動特性を明らかにすることによって得られた知見を活用して、現在の生活環境とプロダクト・インテリア・建築との関連性を模索します。(担当教員:橋本 雅好

建築・住居領域

地域・建築計画分野

同研究室の研究分野、手法、対象のキーワードは、都市・地域・建築の再生、建築計画/地域計画、構法計画/生産システム、建築経済、住宅/団地計画、情報技術、町おこし/村おこし、国際比較・海外事情、超高齢社会・医療、サステナビリティ、木造、意思決定プロセス、エネルギーシステム、技術とデザイン、テーマパーク/非日常空間などです。欧・米・アジア・オセアニアの教育研究者や建築家らとの人脈を生かし、国際共同研究・国際比較研究を積極的に行っています。研究成果に一貫して共通する問題意識は、「時代のダイナミズムを反映した『よい』デザインを如何にして実現するか」という課題で、研究成果をホームページで公開しています。研究活動に加え、研究内容とデザインに対する価値観を世に問う手法として、また、研究・教育へのフィードバックを図る目的で、研究室では、計画・設計活動も行っています。地域計画、建築・住宅設計の実務や、設計デザインコンペティション、デザインイベントなどへ積極的に参加しています。成果については、ホームページを参照してください。(担当教員:村上 心

住宅計画分野

日本の住まい・生活財・暮らしは、明治以降の近代化過程のなかで大きく変化してきました。今日では、便利で快適な暮らしが実現する一方で、環境の破壊や人々の心の疲弊などが問題となっています。この分野および研究室では、近代化過程の功罪を検証するとともに、日本のよき伝統の今日的再生、自然環境との共生などの視点から、住まいや暮らしのあり方について探究していきます。最近の研究テーマの一例を挙げると、「省資源・省エネルギー的視点による伝統的住様式の再評価」「家庭内生活慣習と環境配慮意識・行動との関わり」「木の骨組を生かす住宅デザインの動向」「住宅作品に見られる『間』仕切りの手法」などです。(担当教員:松原 小夜子

建築環境工学・設備学分野

人間活動や自然環境により形成される微気候と人間との関連を追究し、人間の快適性を健康問題やエネルギー問題の解決に応用することをめざしています。人間にとって健康で快適な居住環境を創造したり、現在の居住環境を改善したりするためには、温熱環境が人体に及ぼす影響を人体の生理反応や心理反応を通して正確に把握することが不可欠です。快適環境工学研究室では、人間と環境との間の熱の動きという側面から人間の感覚を探究しています。そして、体感温度指標のしくみを明らかにし、温熱環境の評価方法と体感温度を考究しています。研究活動は、温熱環境の人体影響の解明とその結果を居住環境の創造や改善に生かすことを目的とし、住文化とライフスタイルを環境評価に応用することで、快適な住環境の開発に向けた体感温度を組み込んだ環境制御システムの開発を進めるものです。行動性体温調節が評価可能な温熱環境評価指標を開発し、生活空間における至適温熱環境条件を提案していきます。(担当教員:藏澄 美仁

施設計画分野

人口減少社会の到来、少子高齢化の進行といった社会情勢の中で、都市や地域における施設総量の最適化や、機能の再配置が求められています。例えば、学校・住宅等の都市施設についても、老朽化、建て替え/維持管理の資金の不足、利用者のニーズの変化への対応など、様々な課題を抱えています。こうした背景を踏まえ、川野研究室では、ファシリティマネジメントの視点からみた都市施設の利活用に関する研究を行っています。最近の研究テーマの例は、「小学校施設ストックの利活用」「公共施設のマネジメント手法」「住宅団地再生プロジェクトの評価」などです。(担当教員:川野 紀江

カリキュラム

※建築・住居の領域から一定以上の単位を修得することにより、一級建築士登録要件の実務経験1年が免除となります。

修了要件および履修方法

生活科学研究科に2年以上在学し、生活環境学特別研究10単位のほか特別研究に関連のある授業科目の中より10単位合計20単位必修。その他任意に選択して合計30単位以上修得し、修士論文の審査及び最終試験に合格した者。なお、修士論文に代わり作品及び趣旨書(特定の課題についての研究の成果)により審査を受けることができる。
上記の修了要件を満たしたものに、「修士(生活科学)」の学位を授与する。

近年の修士論文テーマ

  • マスクの色彩と服装色との関係
  • 競技ルールの変遷と公共的大規模屋内プール施設との関係性からみた改修計画
  • タイトスカートの椅座位における裾線の挙動
  • 少子高齢化社会における高齢者の住環境の改善に関する研究
  • 薄鋼板を加えた面格子壁の耐震性能評価に関する研究
  • 地域再興計画:住民の地域再生に対する意識の把握と空き家活用の設計提案
  • 中学校家庭科における制服を利用した服育
  • 毛髪物性におよぶシャンプー/コンディショナーの影響
  • 徳島県三好市の空き家改修設計とお試し住居の実態及び評価
  • 車椅子利用者のための生活自立支援の研究 —洗面回りと調理について—

修了生の主な進路・活躍先

公共機関

(一財)ボーゲン品質評価機構、(一財)ニッセンケン品質評価センター ほか

教育機関

名古屋大学、お茶の水女子大学、愛知学泉大学、愛知大学、愛知産業大学、金城学院大学、椙山女学園大学、名古屋学芸大学、名古屋女子大学、愛知文教女子短期大学、岐阜市立女子短期大学、神戸女子大学、文教大学、各高等学校 ほか

民間企業

㈱青木茂設計工房、㈱FEE、NSハイパーツ㈱、㈱エムズ、グッドリビング㈱、小林聡建築研究所、SUPPOSE DESIGN OFFICE、十仁プラザ㈱、スウェーデンハウス㈱、㈱タカマ、東建コーポレーション㈱、ナカガ設計、A Nomad Sub㈱、㈱バウハウス丸栄、日本毛織㈱ ほか

進学

名古屋大学大学院 博士課程(後期課程)、椙山女学園大学大学院 博士後期課程、共立女子大学大学院 博士後期課程