新着情報

  1. ホーム
  2. 新着情報
  3. 椙山女学園大学開学70周年記念 第41回椙山フォーラムを開催しました

椙山女学園大学開学70周年記念 第41回椙山フォーラムを開催しました

椙山女学園大学開学70周年記念 第41回椙山フォーラムを開催しました

2019.12.16

 11月30日(土)に椙山人間学研究センター主催の椙山女学園大学開学70周年記念 第41回椙山フォーラム「人間にとってスポーツとはなにか」を開催し、111名の方にご参加いただきました。
 第1部では、大阪学院大学国際学部教授の松本芳明氏が「超高度化するトップスポーツの世界」と題して、トップスポーツ界の現状について、これまでオリンピックが進展してきた様々な要因と背景を説明しました。
 オリンピックでは、①オリンピック標語:「より速く、より高く、より強く」により、上を目指す可能性の追求という方向性が明確化され、②政治的利用として、国の威信が全面的に押し出され、「勝利至上主義」が台頭、③経済的利用として、特にテレビ放映権料を中心とした「メディアファースト」という状況の下、多くの視聴者を引きつけるために結果が求められるようになったことを説明しました。
 これらを背景として、①スポーツ科学の成果に基づくアスリートの「身体」能力の開発では、医学などの研究成果を利用したアスリートの「肉体」改造が行われ、②テクノロジーの成果に基づいた「競技環境・トレーニング環境」の整備・向上とともに、用具(ウェア)・器械・設備がより高性能となったことが、技術の高度化や記録の向上をもたらしたと説明しました。
 こうした科学技術の発展に基づくアスリートの「身体」と「競技環境」の更なる「人工化」の傾向は、エスカレートの一途にあることから、「生身の人間が行うスポーツとしてどうなのか?」という問いかけを行って結びとしました。
 第2部では、奈良教育大学准教授の井上邦子氏が講演に対するコメントを発表しました。
井上氏は、数値による結果を重視するスポーツ界の現状とは異なるものとして、モンゴル相撲を取り上げ、試合に参加することや相手の立場を尊重しながら取り組む姿勢が重視されるスポーツも存在すると話しました。
 第3部の総合討論では、講演者とコメンテーターによる活発な意見交換が行われ、盛況のうちにフォーラムは終了しました。