先生たちの研究室をのぞいてみよう!
コロナ禍の今こそ、歴史に目を向けてほしい。
幼少の頃から歴史が好きだったのですが、光武帝(中国・後漢)の生き様に憧れ、歴史の中でも中国史が好きになりました。東洋史が学べる立命館大学から京都大学の大学院に進み、研究者の道へ。さまざまな大学で歴史を教え、2020年から文化情報学科の講師として椙山女学園大学の教壇に上っています。
現在の研究テーマは中国の中世史。後漢末期〜唐の時代の政治・社会・思想・文化をすべて踏まえ、中世中国の実態解明を目標としています。残されている文献資料がとても少ないためオリジナリティーのある研究成果を打ち出すのは困難ですが、以前に発表した「永嘉の乱」に関する論文に反響があり、研究者としての喜びを感じることができました。また、文字を専門とする私たちと出土物(モノ)を専門とする考古学者が連携することで、思いがけない新たな発見が生まれることもあります。
「歴史」には苦手意識を持っている学生もいるかもしれません。しかし歴史を学ぶことで、物事を長期の目線で見る力を養うことができます。また、世界史を学ぶことでグローバルな視点が身に付きます。新型コロナウイルスの流行で日々の生活が一変してしまった今こそ、これまでの歴史を踏まえ、広い視野をもって現在を観察し直すことが重要です。これをきっかけに、ぜひ歴史に目を向けてみてください。
大学報「風」Vol.54より