社会で輝く 未来のあなた
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PROFILE
- 生活科学部管理栄養学科卒業
管理栄養士(アスリート専門・フリーランス)
アスリート専門の管理栄養士として、高校生から社会人まで、国体やオリンピックを目指す個人・チームの栄養サポートをしています。スポーツの栄養指導といっても、種目や個人によって、目標や内容はさまざま。例えば同じ陸上競技でも、長距離と短距離では望ましい筋肉量や体脂肪率は違いますし、太りやすい、風邪をひきやすいなど、個人の体質によっても必要な栄養素や摂取するタイミングが変わってきます。よって、まずは競技や選手ごとに、最適な栄養プランを見極めることが重要なのですが、それを伝えるだけではなかなか結果を出せません。情報が溢れる時代、選手たちもある程度の栄養知識は持っています。でも実践できない。そこで必要なのは行動に移す動機付けです。カウンセリングではまず、今の課題や悩みから性格、生活スタイルまでじっくり話を聞きながら具体的な目標を共有します。その後は栄養管理に主体的に取り組んでもらえるよう、毎日の食事の写真を送ってもらい、こまめにアドバイスするなど、継続的に支援します。そしてフリーになって2年目の昨年、個人としてサポートしている陸上選手が日本選手権入賞、チームとしてサポートしている高校の陸上部がインターハイ入賞と、それぞれ目標を達成し、ハイタッチして喜びを分かち合いました。悩むことも多いですが、戦績やタイムなど、成果がはっきり出るのがこの仕事の醍醐味。私自身も来年に公認スポーツ栄養士の資格取得、4年後に指導するアスリートのオリンピック出場と、今後も目標に向かって全力で取り組んでいきたいです。
真面目で協力的な仲間や先生に囲まれスポーツ栄養をとことん学んだ4年間。
小学生から陸上に打ち込み、食べることはもちろん、身体をつくるという意味でも、食事や栄養にとても興味がありました。高校も食物科に進み、大学では、もっと多くのアスリートを栄養面から支えるスキルを養いたいと管理栄養学科に入学しました。1年次からスポーツ栄養の先生の研究室に通って話を聞いたり、1度履修すればいい「スポーツ栄養」の授業を、2~4年まで受講したりと、学ぶ姿勢は超前のめり(笑)。その甲斐あって、栄養の知識や献立作成・調理のスキル、カウンセリングの技法など、今の仕事に必要なことはほとんど大学で学べました。実践面では、2年次から母校の陸上部で栄養サポートのボランティアを始め、4年次のゼミでは別の高校のラグビー部、サッカー部、バスケ部の栄養管理を経験し、競技や個性に合わせたアプローチの仕方を習得。それらの経験を通して、アスリート専門の管理栄養士としてやっていく気持ちが固まりました。また大学では、真面目で付き合いのいい仲間に恵まれ、同じ分野に興味を持つ友達と「スポーツ栄養研究会」をつくったり、学科の運動会を企画して、大勢の仲間に参加してもらったりと、毎日の学びや生活を楽しくするさまざまな活動に挑戦できたのもいい思い出です。フリーランスの管理栄養士になった今、個人やチームへの栄養指導のほか、女性アスリートのための料理教室やビューティ講座など、「楽しむこと」も積極的に提案するのは、椙大での経験が影響しているのかもしれません。4年間の学びを大切に、これからも自分にしかできない仕事に挑戦し続けたいと思っています。
大学報「風」Vol.52より