リスペクトOG

社会で輝く 未来のあなた

高齢者の「できない」を「できる」に。知識と情熱で、明日への希望を届けたい。

PROFILE

人間関係学科卒業
社会福祉法人 豊川市社会福祉協議会 南部高齢者相談センター勤務

私の勤務する南部高齢者相談センターは、豊川市を東西南北で分割した4つのセンターのひとつ。地域の高齢者が住み慣れた場所でいつまでも安心・快適に暮らせるよう、介護や保健、医療などさまざまな制度やサービスを活用し、総合的な支援を行っています。私は今、19名の高齢者を担当しているのですが、健康状態や暮らしぶり、さらには生き方や考え方は実に多様です。例えば、「歩くのが困難になった」という場合。関係各所と連携して、歩行器の購入やヘルパー・デイサービスの利用などを提案するのですが、それで一件落着とはならないケースも多々あります。一人暮らしの方の中には「外に出たくない」という方もいらっしゃいますし、ご家族が「心配だから歩かせたくない」と反対されることもあります。つまり、私たちに必要なのは、目に見える問題を改善・解決するだけでなく、ご本人の気持ちやご家族の思いも含め、その人にとって最も心地良い未来を考え、提案し、実現していくこと。「朝、5分だけ散歩してみようよ」とまずは外出を促したり、ご家族に安全性を説明してご協力いただくなど、自分なりに工夫しながらアプローチするようにしています。その結果、今までできなかったことができるようになり、ネガティブだった気持ちが少しずつポジティブに変わっていく姿を見ると、この仕事を選んで良かったと心から思えます。これからも一人ひとりの状況や人生と正面から向き合い、経験を重ね、先輩方のように幅広い相談を担当できるようになるのが目標です。

 

地域福祉との出会いは大学時代。
国家資格に向け全力で努力した4年間。

大学では、青年や高齢者、障がい者、ジェンダー、地域福祉など、幅広い領域を学びました。人間関係学科は少人数の授業が多く、自分の意見を臆せず伝える力や、多様な考えを受け入れる力が自然に養われたように思います。そんな中で、私が地域福祉に興味を持ったのは、3年夏の障がい者支援センターでの実習がきっかけ。相談者に親身に寄り添う職員の方の仕事ぶりを目の当たりにし、私もこんな風になりたい強く感じました。そしてその頃から、社会福祉士国家試験に向けた勉強も本格的に。毎週月曜日に先生が作ってくださる小テストは、先輩方のデータをもとに「この時期、何点なら合格圏内」など、その時点での自分の実力が分かり励みになりました。また授業以外でも、自習用に開放された教室には常時先生が待機して、どんな質問にも答えてくれるんです。そして決して追い込まない。「少し休憩したら?」とお菓子をくれたり(笑)。安心して勉強できるから、国家試験を目指す仲間はほとんど集まっていました。みんなライバルというより団体戦のチームメイトのような感覚で、助け合って勉強しました。この経験で私は、自分が困った時に誰かに助けを求めること、誰かが困った時に手を差し伸べることの大切さを学びました。現在、社会人1年目。壁にぶつかることもありますが、そんな時はすぐに先輩方に相談し、打開策を探します。なぜならそれが、利用者の方の利益につながるから。専門知識や資格はもちろん、自己発信力や協働する力を授けてくれた椙大に、感謝の気持ちでいっぱいです。

大学報「風」Vol.51より

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