ゼミ探

社会で輝く 未来のあなた

小さな命の大きな力に日々感動。NICUで自分を成長させたい。

「人の役に立ちたい」。
心の声に素直に耳を傾けて
選び、続けている仕事。

PROFILE

看護学科 卒業
名古屋大学医学部附属病院勤務

心身ともにハードなNICUの現場

私が勤務しているNICU(新生児集中治療室)は、早産、低体重や、何らかの疾患のある新生児を24時間体制でケアする場所。大人のように診療科が分かれていないので、全身のあらゆる疾患への知識が求められる上、赤ちゃんはわずかな刺激が急変につながることも多いので、常に高い集中力が必要です。また、ご家族の精神面をサポートするのも私たち看護師の役割。ご両親にとって、生まれたばかりのわが子に何らかの症状が見られることはとてもショックですし、中にはご自身を責めてしまうお母さんもいらっしゃいます。そんな時は、さりげない会話から信頼関係を築いて不安な気持ちや看病の辛さを話してもらい、少しでも心が落ち着くよう励まし続けます。不思議なもので、ご家族が笑顔で保育器に近づくと、赤ちゃんの状態が良くなったり、笑顔になることがよくあるんですよ。時には悲しい結果に直面することもありますが、たとえそうであっても、小さな命の大きな生命力や、温かな家族愛に日々触れられる経験は本当に尊く、この仕事ならではの喜びだと感じています。

保育器の周りには赤ちゃんの状態を示すモニターや人工呼吸器など、数多くの医療機器が並んでいます。

数多くの医療機器が並んでいます。
 

看護師は、なってからが本当の勉強

私が看護師をめざしたのは、高校2年生の時、椙大に新しく看護学部ができると聞いたことがきっかけでした。その頃、将来について漠然と「せっかくなら人の役に立つ仕事がしたい」と考えていたので、「この学科に入って看護師か養護教諭になろう」と思ったんです。名古屋大学医学部附属病院に就職したのは、現場での実習経験から。お世話になった看護師の方が患者さまをとても大切にされていたことと、新人へのサポート体制が充実していた点に惹かれ、ここでなら頑張れると感じました。入職1年目に内科、外科、ICU、オペ室など様々な部門を経験した後、2年目からNICUへ。「看護師は、なってからが本当の勉強」。大学時代、先生が何度も話されていた言葉を噛みしめながら、新たな症例や治療法の学習にも力を入れています。

総合実習終了後の飲み会にて(写真中央に香田さん)

総合実習終了後の飲み会にて
 

自主性と協調性を学んだ学生時代

椙大時代は、看護学部の1期生ということで、先生、学生ともに実習も国家試験も手探りの状態。何でもみんなで話し合い、「とにかく自分たちが道を拓かなきゃ、実績を残さなきゃ」と必死でした。でも、それがとても楽しかった。大きな実習が終わった後や夏休み前、忘年会など、何かと理由をつけては1期生全員で集まり、飲み会を開いたのもいい思い出です。そんな中で自然に身についた協調性は、医師や薬剤師など他職種のメンバーとチームで治療を進める看護師の仕事に大いに役立っています。また看護学部の勉強はとてもハードな上、私はさらに養護教諭の授業も取っていたのですが、忙しい中でも時間をやりくりして2年次には念願のヨーロッパ研修にも参加しました。この切り替え力も仕事には重要で、就職後も毎年海外旅行を楽しみ、疲れをリフレッシュしています。そして何より今の私の土台にあるのは、国家試験に向かって仲間と一緒に全力で努力し、目標を達成できたという自信。この先どんな大変なことがあっても乗り越えられると思わせてくれる、私の一生の財産です。

大学報「風」Vol.48より

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