ゼミ探

社会で輝く 未来のあなた

誰もが身につけるものだから。繊維製品の安全性を守り続けたい。

私が検査した服は絶対に安全。
厳しさと誇りを持って
仕事に取り組んでいます。

PROFILE

生活環境デザイン学科 卒業
一般財団法人 カケンテストセンター勤務

衣料品の検査からクレーム解析まで、
幅広く担当

私の仕事は、衣類や靴、小物など、様々な繊維製品の安全性や耐久性を検査すること。クライアントの要望に合わせて、縮みや色落ち、素材の混用率を検査する「性能評価」や、有害物質の混入をチェックする「安全性評価」など、その内容は実に多彩です。私たちの検査結果をもとに、製品に付くラベル(素材や洗濯方法など)の表示が決まるので、念には念を入れて検査を行っています。また、クレーム品解析も重要な業務の一つ。例えば、ひと口に変色と言ってもその原因は本当に様々なんです。素材の特性、洗剤や日光による化学変化、一緒に洗濯した別の衣類の色移り…。知識と経験から原因を探り、実験や検査を重ねて実証するのは、難しい分とてもやりがいがあります。検査結果を報告書にまとめ、クライアントにお渡しする際、「ありがとう」と言ってもらえると、嬉しい気持ちでいっぱいに。自分が検査した製品を街で見かけると、「この服は絶対に安全ですよ!」と、大声で宣伝したくなっちゃうんです(笑)。

生活環境デザイン学科のみんなでハロウィンパーティーをした時の写真。自分で、衣装を手作りしてみんなで仮装しました。(一番右が学生時代の則武さん)

ハロウィンパーティー
 

3年生の実習で出会った、検査員という仕事

今の仕事に就いたのは、TA(テキスタイル・アドバイザー)資格を得るための現場実習で、検査業務を体験したのがきっかけでした。在学中はアパレル分野を中心に学んでいたのですが、デザインなど「見える部分」ではなく、耐久性や安全性など「見えない部分」を担う仕事の重要性に強く惹かれて。それで思い切ってトライし、大学での学びをフルに生かせる専門職に就きました。とはいえ知識も経験も未熟なので、もっと力をつけてどんな検査にも対応できるようになるのが今の目標。そのため日々の業務に加え、TES(繊維製品品質管理士)の資格にも挑戦中です。実はこの試験の会場は我が母校。受験時に先生方に会えるのも楽しみの一つなんです。

縫製や外観に不良が無いかを確認しています。まだまだわからない事が多いので、いつも先輩に助けてもらっています。

縫製や外観に不良が無いかを確認
 

幅広い専門知識を吸収し、
世界を広げた学生時代

私にとって大学は、ズバリ「自分の世界を広げてくれた場所」でした。私は「服づくりが好き」という単純な理由で生活科学部生活環境デザイン学科に入学したのですが、そこで待っていたのは、デザインやパターンはもちろん、素材の特性や染色法、さらに人間工学や流通まで、アパレルを多面的に理解する幅広い学び。自分の中の既成概念がいい意味で崩れ、3年生では、先生に紹介されたアパレル商社でのアルバイトで、子ども服の企画・生産にも携わりました。そんな中で、次第に興味の対象も「服づくり」から「服と人間の関係性」へとシフトし、卒業研究では、「人が手芸作業をした時の脳の働き」について掘り下げることに。ゼミの仲間との共同研究でしたが、厳しい状況の中でも互いを信頼し合い、協力しながら成果をあげた経験は、一生の財産になりました。「食わず嫌いをせず、何事にもまず挑戦」。大学での経験から生まれた座右の銘を、これからも大切にしたいと思っています。

大学報「風」Vol.43より

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