このゼミでは、近現代日本とアジア諸地域の文学・文化を対象に比較研究を行います。具体的には、(1)日本と中国、韓国、台湾など各地域の文学・映画・サブカルチャーにおける他者と自己表象、(2)日本と各地域における文学・映画・サブカルチャーの翻訳と受容およびテクストの比較、(3)アジアの女性文化およびジェンダー表象、という三つの軸で考察を進めていきます。歴史的文脈を踏まえつつ、比較的観点を持って研究していくと、「日本文学・文化」あるいは「地域名+文化」としてカテコライズされてきたものが、いかに周囲と結びつきながら形成してきたかを発見できるでしょう。
尹芷汐 講師 プロフィール
中国四川省生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本近現代文学。社会派ミステリーや冷戦期の文学、女性文学について、日中比較の観点で研究を進めてきた。単著に『社会派ミステリー・ブーム』(花鳥社、2022年8月)、共著に『東アジアの中の戦後日本』(臨川書店、2018年8月)、『ケアを描く──育児と介護の現代小説』(2019年3月)、『疫病と日本文学』(三弥井書店、2021年7月)などがある。