椙山女学園 大学

大学概要

椙山女学園大学教育改革2013報告

2013年度は、本学の個性や特色を生かし、質の高い教育・研究によりさまざまなニーズに応えていくために、大学教育改革のアクションプランを実施し、以下の内容について充実を図ることができました。

魅力ある教育の構築

1身につく力がわかる教育課程の体系化

「めざすべき人材像」、カリキュラム(教育課程の編成)・ディプロマ(学位授与)の2つのポリシーを再点検するとともに、大学教育において学生に身につけてもらいたい「4つの育成する能力(知識・理解、思考・判断、態度・志向性、技能・表現)」を設定しました。また、「カリキュラムマップ」によって、「4つの能力」が、どの授業科目でどのように達成されるのかという相関関係を整理し、教育課程の体系化を進めました。本学の学生が十分な能力を持って卒業できるよう、単位の修得と教育プログラムを関連させ、「可視化」された学びの中で教育内容の「質」の保証を行います。

2教育内容の質を保証する体制づくり

より魅力的な教育の実現に向けて、各学部に「教育内容検討会議」を創設しました。教育方針の立案、カリキュラムの編成、教育内容・教授法の改善、教育効果の検証等を迅速に行う体制を整えました。

3シラバスの充実による授業内容の明確化

シラバス(各科目の授業計画)において、(1)授業の目標を具体的に明示し、(2)その目標を到達するための方法を説明し、(3)到達度を評価する方法を具体的に示すことによって、学生が授業内容や達成目標を十分に理解したうえで授業に取り組むことができるよう記載内容の充実・整理を行いました。
また、各学部・学科のディプロマ・ポリシー(学位授与方針)や教育研究上の目的と授業内容の整合性を図るため、第三者による事前チェックも行い、シラバスの充実を図っています。
個々の授業科目の内容や計画を示すシラバスは、学生が主体的に授業に取り組み、授業で育成すべき能力を確実に身につけるために大切なものです。大学としてシラバスの記載内容を着実に実行し、個々の授業内容の「質」を保証していきます。

教養教育の質的転換

1幅広い知識と教養が身につく教養教育の再構築

学生が幅広い教養を学ぶことができるよう、さまざまな分野の学問に触れることができる総合大学の利点を最大限活用し、「教養教育のリメイク」作業を全学的に進めています。2014年度からは、教養教育を全学共通化し、他学部開講の教養教育科目を履修することができるようになります。2015年度には「人間になろう」という本学の教育理念への理解を深める科目として開設している全学共通科目「人間論」の内容を充実するとともに、「女性とキャリア」に関わる領域を新設し、社会で活躍することができる基礎的能力・スキルを身につけるための授業科目の拡充を進めます。 総合大学ならではの充実した科目のラインナップの中で幅広い知識と健やかで豊かな暮らしを実現するための素養を身につけることができます。

学生の学修を支える環境の整備

1学びあいの場としてのラーニングコモンズの整備

学生同士の学びあいの場を提供するため、図書館に新しい学習空間として「ラーニングコモンズ」を整備しました。学内の学習空間を多様化させ、共同学習の機会を増やすことによって、仲間同士で教え合い、協力し合いながら、主体的に学ぶことができる人材を育成します。
ラーニングコモンズは、学生がともに学び、学生同士が議論し、知識を求め、考えをまとめ、発信する場としての活用が期待されるなど、新たな学習スタイルを提供する総合的な学習スペースです。仲間同士で教え合い、学び合うことによって、Teaching(教員が教えること)からLearning(学生が主体的に学ぶこと)へと向かう大学教育の大きな流れを実現することができます。

2学生の満足度を高めるための教育環境の改善

学生の学修実態・学修行動調査や、卒業生を対象とした教育環境の満足度調査を行いました。これらの調査結果をふまえて、学生の視点に立った教育環境の改善に取り組んでいます。

3学びを支援する学修制度の改善

GPA制度により自分の学修到達状況がわかりやすくなり、学修意欲を高め、履修計画が立てやすくなりました。さらに、GPAの成績上位者には奨励奨学金を給付する制度も設けています。また、1年間に履修登録することができる単位数の上限を適切に調整し(CAP制)、各授業における学修に必要な時間を確保しました。これらの改善により、授業内容をきちんと理解しながら学んでいける学修環境を整えています。

高大接続・受験生への取り組み

1大学での「学び」がわかる入学前スクーリングの実施

入学試験合格者を対象とした入学前教育・スクーリングを新たに実施しました。
各学部・学科の実習やグループワーク、各種課題に対して主体的に取り組んでもらうことにより、入学する学部・学科の「学び」を理解してもらうとともに、入学前の不安をなくし、入学へのモチベーションの維持・向上させ、入学後のスムーズな学生生活への移行をサポートしています。

教員の持てる力を十分に発揮できる体制の整備

1学生の意見を取り入れたベストティーチャー賞の創設

多くの学生に支持され、質の高い授業を提供してきた優秀な教員に対してその功績を表彰する「ベストティーチャー賞」を創設しました。「ベストティーチャー賞」は、教員同士がお互いに「切磋琢磨」する意欲を生み出します。また、学生の声が授業作りに直接反映されるため、学生の学修意欲が高まります。
2013(平成25)年度は、生活科学部 加藤昌彦 教授が受賞しています。

全学的な教学マネジメントの推進

1時代の要請に対応するための教学マネジメント体制

社会の要請に応えるために必要な教育の質を保証するため、学長をリーダーとする「大学運営会議」を創設し、大学内外の諸課題に対して迅速に対応することができる教学マネジメント体制を整備しました。
成長し続ける大学として、目標達成のためにPDCAサイクル(計画Plan)(実行Do)(評価Check)(改善Action)を繰り返しながら教学改革を進めます。

2学長のリーダーシップをサポートする体制づくり

学長を補佐する体制を強化・整備するために、新たに「副学長」を配置します。学長がリーダーシップを発揮し、全学的な課題に迅速に取り組むことができるよう、副学長と2人の学長補佐が中心となって、学長をサポートし、教学改革を推進します。

3魅力ある教育のための大学IR室の設置

本学の現状分析と未来の環境分析を行い、戦略的変革サイクルを機能させるため、「大学IR室」を創設しました。全学的な評価検証項目の経年比較や、全国平均や他大学等との比較によって自大学の位置を確認しながら、刻々と変化する環境に的確に対応し、教育改革に取り組んでいきます。
*IR・・・Institutional Researchの略で、大学の教育研究活動の充実発展を目的として、大学運営に関する情報収集・管理、分析、提案を行うため体制を意味しています。