新着情報

  1. ホーム
  2. 新着情報
  3. 「新聞における芸能記者の取材と発信の現場から」~メディア情報学科で特別講義~

「新聞における芸能記者の取材と発信の現場から」~メディア情報学科で特別講義~

「新聞における芸能記者の取材と発信の現場から」~メディア情報学科で特別講義~

2017.01.27

 12月16日(金)、メディア情報学科専門科目「芸能・スポーツジャーナリズム」(担当:脇田泰子准教授)において、中日新聞放送芸能部記者の長谷義隆編集委員をゲストスピーカーに特別講義「新聞における芸能記者の取材と発信の現場から」を行いました。この講義は、芸能とスポーツの魅力を分かりやすく、また、その問題点や課題も逃さずに伝える、それぞれのジャーナリズムの在り方について学ぶことが目的です。
 芸能取材歴20年以上の長谷編集委員は、冒頭、芸能記者の数が減っている現状を指摘し、メディアは伝わらなければ意味がないとして訴求力の重要性について語りました。その後、「取材時間は必ず長くとる」などの経験則や取材の仕方の要点に触れ、「何がニュースで、どこがポイントか、この人が言いたいことは何なのかを常に考え、原稿には責任をもって自分が目を通し、納得のいく記事でなければ載せない」とする記事作成に対する姿勢について、自身の取材や記事を例に具体的に説明しました。
 署名入りと連載だけでもこの1年間で140本という執筆記事の中でも、60回にわたった「発掘レトロ洋楽館~松坂屋少年音楽隊楽士の軌跡」(2015年10月10日~2016年12月3日)は、戦前の名古屋の百貨店に生まれた宣伝楽隊に始まるオーケストラ活動と、それに携わる人たちが戦争に巻き込まれていく時代の命運を描く中から、豊かな文化史を育む名古屋でも知られざる洋楽という新たな素顔に迫った渾身の作です。最後に「記事とは単純な文字の羅列ではなく、その中にエッセンスがある。取材を受ける側は、全部を見どころとして伝えたがるが、記者としては、イメージが沸きにくい話であっても、どうしたら読み手に分かりやすく伝わるか、なじめるかを考えながら書くことが大事」と執筆時の勘どころを明かしてくださいました。
 長谷さんのプロ意識の一端に触れた受講生には、「自分が書かなければ誰がやるんだという思いで連載が60回になったことに、これはと思う内容に粘り強く関心を持って調べて掘り下げる継続の力と、記録して後世に残す使命感を感じた」、「年間300本近い公演を観るなど、美に触れる長い経験から自分の尺度を作ったからこそ、批評もズバッとできるようになる」「これくらいのめり込んで誇りを持てる仕事に就きたい」などとして、きらびやかな世界とその宣伝といったイメージしかなかった芸能ジャーナリズムに対する認識を全面的に改めるよいきっかけとなりました。
 
長谷義隆(はせ・よしたか) 1956年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、中日新聞社入社。編集局放送芸能部編集委員として、クラシック音楽、バレエ・ダンス、能・狂言、日本音楽など、洋の東西を問わず古典的な芸能、舞台芸術を主に取材。各分野の国内外の著名アーティスト多数に単独インタビュー。また、名古屋市民芸術祭の舞踊部門審査員やダンスコンクール審査員も務める。傍ら茶道に傾倒し、地元の芸能文化、歴史にも関心高く、茶道、芸能の歴史や埋もれた事績を掘り起こすとともに、存滅不明だった名物茶器「秋野」「妹背山」の発見、尾張藩主からの拝領の折り畳み茶室の所在判明などを特報。消滅寸前だった尾張徳川家の御家流茶道「尾州有楽流」の復興にも携わる。茶器にも明るい。